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中国でボイコットされるH&Mをスウェーデン首相が支持

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新疆ウイグル自治区の強制労働を巡る発言をきっかけに、中国各地でスウェーデンの衣料品大手企業H&Mの店舗が次々に閉鎖に追い込まれ、Eコマースサイトからは抹消されていく。今、こんな劇的なことが起きている。

H&Mは、新疆ウイグル自治区では強制労働が行われているので今後この地区から綿花などの原料の買付を行わないことを発表した。これに反発し、例えば新疆ウイグル自治区のウルムチでH&Mの店舗が入る物件の不動産主は風評被害を訴え、地域と中国国家の双方に損害を与えたとしてH&Mの店舗を強制閉鎖した。また、現時点ではアリババが運営するコマースサイト「Tmall」ではH&Mを検索しても何もヒットせず、中国に400あるH&Mの店舗もBaiduの地図アプリからも姿を消している。

H&Mの発言を受けて中国ではSNSのWeibu上でボイコットを呼びかけるキャンペーンがくり広げられた。この呼びかけは中国共産党の青年団や人民解放軍などが主導したと見られており、中国の国営テレビ局CCTVでもH&Mに批判的な報道が繰り返されていることを、スウェーデン公共放送のSVTやTT通信社が伝えている。

金曜日の記者会見でこの中国でのボイコットの動きにコメントを求められたステファン・ロベーン首相は、H&Mへの支持を表明し「企業が従業員の雇用条件に責任を持ち、敬意ある態度で臨むのはとてもよいことだと考えている。H&Mは国際的な労働組合組織と良好な関係を築いていることを理解している」と述べた。

そういえばロベーン首相は、スウェーデンの鉄鋼業界労働組合で長く活躍した人だった。

このドラマチックな中国での動きに、H&Mは金曜日はコメントを出していない。中国はH&Mにとって世界で四番目に大きな市場で、昨年11月までの年度ではこの国での売上高は97億クローナ(約123億円)。これはH&Mの売上全体の5%を占める。

同様の動きはナイキやアディダスにも向けられているとも報道されているが、中国とどう付き合うのか、まずは企業が試されている。

H&Mの複数店舗が中国で強制閉鎖へ(SVT)

中国でH&Mへのネガティブキャンペーン「すべてのコマースが止められている」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2021