半年間に渡りダーゲンス・ニュヘテルが、ヴィクトリア皇太子に密着取材した内容をまとめた記事は、ニューヨークの街角で手を上げてタクシーを止めるヴィクトリアの写真がトップに使われている。
現在、国連のSDGs(持続可能な開発目標)のアドボケイトとして活動しているヴィクトリアは、地中海に家族ででかけた海岸リゾートで、娘の体についたマイクロプラスティックをみて自体の緊急性を肌で理解し、ピクニック先でゴミを拾いながら帰ろうというと2歳の息子が、犬のウンチが入ったビニール袋を誇った顔で見せるのをみて、やりすぎたかしら、と苦笑する。
レポート記事から伝わってくるのは、本当に等身大の皇太子だ。
アドボケイトの話を持ちかけられた時も、普通の人以上に知識や関心が高いとは思えない自分がなぜこの役割をするのか、なんの意味があるのか?と熟考する。
9月に日本で行われた、水産事業者と研究者が共同で地球規模の水産システムに関して話し合う会議にも参加していたが、このような頻繁にはいってくる海外への出張もなぜ自分が行く意味があるのか、行くからにはどのような成果をなすべきなのかをよく考えて行動するようにしているという。
ヴィクトリアといえば、王位継承者であるプレッシャーからか若い頃、摂食障害(拒食症)になり、そこから見事に立ち直ったひとでもある(立ち直る過程ですてきな今の夫であるダニエル王子とも出会った)。
この夏ストックホルムで「スウェーデンを美しく(Håll Sverige Rent!)」の記念式典でオープニングスピーチをする彼女を間近にみたが、強い風の中、手に持っていた原稿をめくる際に指にツバをつけていたのが、なんだか好感度高しの親しみやすい人である。
政治的な行動には首を突っ込まず、かつ王室の一員だからこそできる役割はあるので、これまでの試行錯誤の中で身に着けた彼女の中の強固な境界線の範囲でこれからも活動を続けていくという。
今41歳だそうだが、今後も身体に気をつけてご活躍ください。
DN・ヴィクトリア皇太子「環境問題はやり過ごさない」