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医者にならない医学部卒業生とその教育費の関係

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画像ヴィスビーの城壁・Emelie Asplund/imagebank.sweden.se

日本でも医療の現場は本当に大変だと思いますが、転職を考えるお医者さんはまだ少ないのでは?スウェーデンではせっかく医学部を卒業したのに、他の職業へと転職を考える若いお医者さんが激増しています。

大学で医学を勉強した後、1年間ATと呼ばれる研修医として働かないと最終的な医師資格がとれないスウェーデン。今、この研修医のポジションが絶対的に足りていないそうです。学業は終わったのに研修先が見つからず、不安定なパートのような働き方を強いられている卒業生が増えています。

また、仕事からくるストレスの強さに比べると割に合わない給与基準にも早くも嫌気がさしている人も多いようです。スウェーデン医師会青年部の調査では、回答者の3分の1の人が転職を考えています。一年前と比べてその割合は倍増しています。

このままでは、せっかく国の税金で医者になる教育を受けた人たちが医者にならず、なったとしても体調をくずし病気になってしまう、というのが青年部代表の訴え。国や行政は研修医のポジションを増やしたり、医師の労働条件を改善することでこの問題に対処できる、というのが彼らの主張です。

医師の教育をスウェーデンで行うには税金で賄われている高い学費がかかっているので、ここは政策を工夫してみんなお医者さんになってほしいところです。

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さて、今週は、夏休みが本格化する前に毎年ゴットランドで開催される政治関連のフェステバル(?)、アルメダーレン(Alemedalen)週間でした。

風光明媚なゴットランドのヴィスビーにあるアルメダーレン公園を中心に、スウェーデンの政党や団体が集結して政策演説やセミナーが行われるというユニークな慣習。もともとは、1968年に当時の首相オロフ・パルメが、夏休みをとっていたゴットランドで政策演説を行い、人が集まってきたことがアルメダーレンの始まり。

現在では2000以上の組織から4万5000人以上の人が集まる規模になっており、期間中に開催されるイベントは開催機関公認のものだけでも4000以上。おそらく1万近い集会がヴィスビーにぎっしり集まった参加者により、ここかしこで開催されます。

アルメダーレンには当然のこと、主だったメディアもすべて集まってくるので、この時期に合わせてプレスリリースを出し、記者発表を行う団体も多いです。今日のニュースも、スウェーデン医師会の青年部がアルメダーレンに合わせてアンケートを調査をまとめ、発表したもの。うまくニュースに取り上げてもらえましたね。

今年もこれが終われば、政治家や各企業の経営層にメディアの人たちも本格的に夏休みとなるようです。皆様にも、Glad Sommar!

医者をやめたい若い医師が急増中