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海藻と牛とメタンガス

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温室効果ガスの一つとして牛のゲップやおならとして排出されるメタンガス。この牛からのメタンガスの排出量を抑制するために、スウェーデンの海藻がこの先大きな役割を果たすかもしれない。

ある種の海藻を飼料にまぜて牛に食べさせると、メタンガスの排出量はなんと99%削減とほとんどなくなってしまうという実験がオーストラリアで行われた。使用された海藻はAsparagopsis taxiformisというものだが、問題は牛がこの海藻の味を好まず、ほとんど食べないこと。

今スウェーデンのスウェーデン王立工科大学とスウェーデン農科大学が共同で開始したのは、バルト海やスウェーデンの西海岸でとれる海藻をこの用途に使えないだろうかという研究だ。これから20種類の海藻を使ってそのメタンガス抑制効果と牛のお好みのマッチング研究が行われる。

可能性の高い候補としてあがっているのがrörhinnaと呼ばれる緑の海藻。海のトリュフとも呼ばれるこの海藻は、高級レストランで使われるほど味もよく、また牛からのメタンガスも6割り程度削減できるのではと考えられている。

スウェーデンでは現在年間20トン程度の海藻が養殖されているが、スウェーデンの50万頭の牛に海藻を与えるとなるとその生産量は数千トンへの増やす必要があるそうだ。

 

…… こんな話はいつもの私なら「すごい、面白い!」と大歓迎の内容だが、昨日書いた「もっと抜本的な改革を」を念頭にこのニュースをもう一度読むと「メタンガスが減るから牛を食べ続けても大丈夫」ではなくて、やはり牛肉の消費量は減らすという方向に進まなくてはいけない、ことに気がつく。

それにそれに、、、スウェーデンにもそんなおいしい海藻があるなら、どうか海藻好きの私たちに食べさせてもらえないだろうか?

スウェーデンの海藻で牛肉の気候問題を軟化

 

© Hiromi Blomberg 2023