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デンマークと難民

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最近よくデンマークのことばかり書いているような気がするのだけれど、今日もまた別のニュースを。

昨日、デンマーク議会が採決したのは、デンマークへの難民受け入れ申請の場所をどこか別のアフリカの国へ移管するという計画へのGoサイン。デンマークは難民の保護にお金は出すが、難民たちがデンマークへ足を踏み入れることなく、難民申請の手続きやその後の受け入れもヨーロッパの外の提携国で行いたいと考えている。デンマークはこれまでにこの協力体制についてチュニジア、エジプト、ルワンダなどと話し合ってきた。

デンマークは以前から難民の受け入れを強く制限していて、今年の1月にはメッテ・フレデリクセン首相は「目標は難民受け入れゼロ」と話している。難民にはデンマークに入ってきてほしくない、という方向はとても明確だ。

EUと国連はデンマークのこの方針を強く批判しているが、世界で特出するほど寛容な難民の受け入れを行っているスウェーデンでも今後、今回のデンマークの決定をめぐり大きな議論になってくることだろう。

昨日の夜のSVTのニュースでは、早速デンマークの移民統合担当のマティアス・テスファイ大臣が出演して「このやり方の方がより多くの人を助けることができ、より人道的だ」とインタビューに答えていた。難民はヨーロッパに来るなというメッセージは明確で、国際協力とか人道的責任などの高い志を掲げて多くの難民を受け入れてもうまくいかない、という本音でぐいぐい迫られる感じだ。

この先、デンマークの思惑通りにアフリカのどこかで協力体制を約束してくれる国が見つかるかどうかは未知数だが、今回のデンマークの決定は、国として高い理想を掲げるスウェーデンの難民政策に不満なスウェーデン内の声に大きな力を与えることになるだろう。

難民の次は移民だろうし、こうして世界は閉じていくのだろうか?

デンマークで新法案可決。難民申請はアフリカに移行の可能性(SVT)

© Hiromi Blomberg 2021