デンマークの二人のジャーナリストが書いた「スウェーデンよ、デンマーク流にようこそ」と題した長い寄稿記事がダーゲンス・ニュヘテルに記載されていた。今回の選挙で極右政党が大躍進したことを背景に、20年以上歴史のあるデンマーク流の移民政策から、スウェーデンに、ヒューマニズムを守り差別と闘う方法を伝授したいというのがこの記事の主旨である。
この20年の間、スウェーデンはデンマークを人種差別主義者が権力を握った国として扱い、デンマークはスウェーデンをモラルに縛られて自分の言いたいことも言えない間違ったヒューマニズムの実験国家としてみてきた、という一文で記事は始まる。
記事はデンマークが辿ってきた道をざっと振り返り、そこから二人のジャーナリストたちがスウェーデンにすすめるのは、極右政党をその論調のトーンやヒューマニズムで否定しても意味のないこと、彼らの言っているに耳を傾ける必要があること、そして、緊縮財政という切り札を手に移民政策への費用を削減し福祉国家の中に新たな貧困層を作り出してきたデンマークから何かを学ぶのであれば、極右勢力の案に変わる説得力のある移民政策を自ら提示することだ、と説明する。
彼らは、デンマークが今のような移民政策を実施できているのは、このようなやり方をしているのがデンマークしかないからだと説明し、最終的には国際的な枠組みがないと解決できないが、スウェーデンはそれを達成するのに一番近い位置にある国である、という(皮肉にも聞こえる)一文で終わっている。
デンマークが難民をアフリカで受け入れるいう案を検討していることは時々耳にするが、この寄稿文には、デンマークは受け入れ先としてウクライナとも交渉をしていたが今回の戦争でその案はなくなったことも書かれていて、驚いた。
最も理解できないときこそ、対話し理解しようと試みることが求められてはいるのだろう、と私も頭では理解できるのだが……