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ソーシャルワーカーは6+2で働く

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厳しい職場環境に働きたい人がいない

今を遡ること3年、スウェーデン北部の都市スンツヴァルでは、ソーシャルワーカーが次々にやめてしまい、新規募集してもだれも応募してこないという最悪の状況に陥っていた。

一番厳しかった時期では三分の一近くの職に人員が配置されておらず、残った人たちでまわす現場の雰囲気も最悪だった。

「回復するのも仕事のうち」

そんな時、現場から利用者との面会などの時間を一日6時間とし、後の2時間はエネルギーを回復したり、さらなるスキルを磨く時間としたいとの申し出が合った。

これ以上の離職者を出したくない管理職側はこの申し出を受け入れ、いくつかの部署でこの働き方を導入したところ、現場では離職者が減り新規採用もやりやすくなった。

現在では、200人いるソーシャルワーカーがこの6+2方式で働いている。

費用も増えず、三方よし

全体としては、市側からみるとソーシャルワーカーの雇用予算は増えていないし、新規採用にかかる費用は減り現場の士気はよくなり、各ワーカーの職能も向上している。

利用者側もソーシャルワーカーの頻繁な離職により、担当者がしょっちゅう入れ替わるということがなくなった。

日本の雇用環境からすると、一日8時間の勤務時間がきちんと守られているだけでも驚きで、その上市の職員がそのうちの2時間分のお給料をもらいながら、自分の時間として使えると聞くと耳を疑うかもしれないが、このやり方が雇用者、勤務者、利用者の三方よしにつながっている。

スケジュールに「回復時間」を盛り込むことでうまく回す (SVT Nyheter)

© Hiromi Blomberg 2023