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コロナPTSD

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コロナに感染して回復した患者に、PTSD(心的外傷後ストレス障害)が強くあらわれる可能性に医師が警鐘を鳴らしている。PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)とは強烈なショック体験や強い精神的ストレスが、その体験の後もトラウマとなって強い恐怖を感じる症状だ。

日本でも大地震などの災害の後や地下鉄サリン事件の時、虐待、レイプの話題などでよく聞く言葉だと思うし、スウェーデンではタイで多くのスウェーデン人が津波で亡くなった2004年のスマトラ沖地震の後や、戦争から逃げてきた難民に関する報道でよくでてくる言葉だ。(参考記事・PTSDとは みんなのメンタルヘルス)。

2000年代に世界を襲ったSARSやMERSの際には感染して回復した患者の3人に一人にPTSDの症状が認められた、という研究結果が最近Jounal of rehabilitation medicineに報告されている。

今回のCovid-19で治療を受けた患者の中には、その体験が強くPTSDとし残る人が多くでるのではないかと考えられている。ヨーテボリのサルグレンスカ大学病院のスティブラント・スネルハーゲン医師もそう考えるうちの一人。

呼吸困難に陥った体験、また麻酔の影響下でベッドに横たわっていた経験などがトラウマとして残る可能性が高いことから、身体面の症状が収まった後も精神的側面の経過を見守る必要があるとティブラント・スネルハーゲン医師は説明する。

既に1000人以上の患者がサルグレンスカ大学病院で新型コロナの治療を受けて回復しているが、治療が終わり病院を去る患者たちには、今後の食生活や運動、日中の過ごし方などが説明されたパンフレットが渡される。そしてその中にはPTSDの症状の説明とその経緯を見守る必要性、症状を疑った時には医療機関に連絡することなどが記載されている。

PTSDの症状の多くは、時間の経過と共に弱まっていくが、今回の新型コロナの場合、一度に多くの患者に対応することが必要となり、医療側では対応体制の強化に知恵を絞る。比較的若い患者も多いことから、インターネットを使ったオンライングループ治療も検討しているそうだ。

私ももう恐怖としては記憶に残っていないものの、10歳くらいの時に海でちょっと溺れそうになり呼吸が乱れたことは、とても強い経験して残っている。息が苦しい状態が長く続くときく、新型コロナの病状は確かにPTSDとして残りそう。健康な時は呼吸していることさえ感じないのに、本当に大切な呼吸。今日はちょっと呼吸に感謝して、意識して過ごしてみる?

回復した新型コロナ肺炎患者の強いPTDSの恐れ

© Hiromi Blomberg 2023