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「言行不一致で信頼は簡単に失墜する」、をスウェーデンでも

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わたしたちのリーダーであるべき立場の人が、言ってることとやっていることが違うと信頼は簡単に失墜するということが、スウェーデンでも証明された。

このコロナ禍で他国とは異なる独自路線をとっていても、政府や行政に対するスウェーデン人の信頼は高いということを何度か書いてきたが、このクリスマス前後の首相、大臣、省庁トップの言行不一致で、この度発表された最新の世論調査では政府や省庁に対する信頼度が、昨年12月前半に実施された同統計と比べて一気に下落した。

信頼するという数字が一番大きく下がったのは、社会防衛対策庁。この行政を「おおいに、もしくはかなり信頼する」と答えた人の割合は、50%から28%に下がった。その理由はこちらの言動不一致にあると見てよいだろう。

ショッピングセンターに出かけてしまった法務大臣とスウェーデンの首相のニュースに続いて、昨日はコロナ禍で国民がどう行動するべきかの指針を示すべき行政機関、社会防衛対策庁の長官がスペインのカナリヤ諸島に休暇に行ってしまった

やめる系より始める系誓いで迎える新年 - swelog 2020年12月31日より

このダン・エリアソン長官は、今回も結局社会防衛庁の長官は辞職したが、再び政府内で別の任務につくことがわかった。余談だが、エリアソンはこれまでにも何度も重要な行政機関の長を務めては首になり、また次の仕事に指名されるというスウェーデン政府の七不思議の一つだ(とはいっても後の6つが何なのかは知らないのですが😅)

信頼度は同じ調査で、政府が45%から30%へ、公衆衛生庁も61%から50%へと軒並み数字を落としたが、医療機関に対する信頼は同期間で82%から83%へと高い水準でほんのわずか上がっている。

今週も医療の現場では厳しい状況が続く。この週末はデンマークやオランダでは政府の方針に反発して大きめのデモもあったようだが、やはり聞くべきはこちらの医療従事者の声だろう。こちらにもう一度あげておきます。

ダーラナ地方の医療従事者労働組合からは「今出かけることは自分や他の人を危険にさらす、それが本当に必要かどうかよく考えて行動して」と悲痛な声が投げかけられる。

やめる系より始める系誓いで迎える新年 - swelog 2020年12月31日より

 政府や行政への信頼が失墜

解説・信頼が地に落ちるのは一瞬。再び築くには時間がかかる

© Hiromi Blomberg 2023