クリスマス休暇に入った後も、スウェーデン各地の新型コロナウイルスの感染状況は悪化する一方で、ヨーテボリ広域、ストックホルム、イェブレボリ、スコーネ各地方に続いて昨日はウプサラでも医療の非常事態体制が引かれた。これにより医療従事者の勤務時間を週に48時間まで拡大することができ、また医療担当地域間で人材の貸し借りもできるようになる。
一方このように医療が逼迫した状況にも関わらず、各地のスキー場の人出は多く、ダーラナ地方の医療従事者労働組合からは「今出かけることは自分や他の人を危険にさらす、それが本当に必要かどうかよく考えて行動して」と悲痛な声が投げかけられる。
そんな中、ショッピングセンターに出かけてしまった法務大臣とスウェーデンの首相のニュースに続いて、昨日はコロナ禍で国民がどう行動するべきかの指針を示すべき行政機関、社会防衛対策庁の長官がスペインのカナリヤ諸島に休暇に行ってしまったという、え、これはひどい、というニュースまであった。自分でできることを淡々とやるだけだと思っていても、私たち本当に大丈夫なのかな? と思ってしまう。
そんな状況の中、休暇にはいってからちょっと風邪気味と言っていた夫の弟夫婦がPCR検査で陽性だったという報告まではいってきた。幸い症状は重くないらしいが、こういうなんだかすっきりしない感じで私の2020年は終わるか……
でもファクトフルネスな視点で2020年を見返すと、今年はそれほどひどいことばかりではないらしい。スウェーデン人の思想史家ヨハン・ノルベリは、極度の貧困、子どもの死亡率そして平均収入などの数字をみると、統計史上、今年よりよかったのは直近の3年間の数字のみで、ひどいことばかりが起きていたわけでもないと指摘する。
そして、あと何時間かするとやってくる2021年を今年よりもよい年にしたいと思わない人はいないのではないだろうか。コロナ禍も落ち着いてほしいが、私個人的にはひどいこともなかったが、受け身受け身で状況に適応するのが精一杯だったこの1年。
新年に際してなにか誓うなら「誓いは、何かをやめるのではなくて、始めることを誓うほうが成功しやすい」。これについては2年前にも一度書いたことがあるが(もっとやるやる今年の抱負 - swelog 今日のスウェーデンのニュース)、このほどまとまったストックホルムとリンショッピング大学が共同で実施した調査研究からもはっきりとこの「始める系誓い」の効果がわかった。
禁酒、禁煙などやめる系の、自分との約束は一度破ってしまうとそこで終わってしまうが、始める系は一度始めると、中断することはあってもやめてしまったわけではないので誓いを破ったとはっきりわからないところが続く要因か?
私も気分がよくなる習慣(ジョギングやヨガなど)を始めた方は続いているが、ジャンクフードを突然食べてしまう系は何度誓っても破ってしまう。私にとっては、すぐに破ってしまうやめる系の誓いはたてても意味がないようだ。
さて、少しは心がワクワクするよう、新年に何を始めよう? みなさまもどうぞよいお年を!
医療従事者労働組合からのお願い「家にいて。スキーに行かないで」