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スウェーデンの人生相談

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ラジオの深夜放送っていうコンセプト自体、最近の若い人にはわからないかもしれないけれど、そこで人気の”パーソナリティー”(ってすごい日本語ですね、いまさらながら😅)たちがリスナーからのいろいろな人生相談に答えていた。昔はいろんな雑誌でも「人生相談」は必ずあった。今の若者はどこで人生相談するのだろう?

人生相談は私たちの世代にはなくてはならないものなのか、今購読している毎日新聞でもヤマザキマリさんやジェーン・スーさん、立川談四楼さんなど、ちょっと話をきいてみたい人たちがすばらしい回答をしていて、自分にはまったく関係ない悩みなのについつい読んでしまう。

最近では「完璧な夫との結婚を後悔(回答・ジェーン・スー)」、「少年院の過去、告白すべきか(回答・立川談四楼)」「大嫌いな母の余命わずかに(回答・ヤマザキマリ)」などの質問があった。私はもしかしたら、最近は時間がなくてなかなか小説を読めないので、この人生相談でその穴を埋めようとしているのかもしれない。

前置きが長くなったが、スウェーデンの人生相談である。

ダーゲンス・ニュヘテルの新しい大型企画『専門家に訊く』が始まっている。7人のエキスパートが子どもや人間関係、運動、睡眠、ストレスといった読者の悩みに答えてくれる企画だ。

例えばこんな質問を、としてあげられているのは「妻の浮気を疑っているがどうすればいいか」「自分はうつ病になってしまったのだろうか」「飲みすぎてしまう友だちとどう付き合えばいいのか」「7歳の子どもはどれくらいスマホを使うのが適当か」など、大枠は日本の人生相談と変わらない。

家族関係でいくと離婚、再婚、事実婚の多いスウェーデンの家庭事情は複雑で、今日、取り上げられていた質問も「母との離婚後2,30年ほとんど連絡のなかった父は、死期がせまって連絡してきたが、病状の悪化とともにまた連絡を絶ってしまった。どうすればいい?」とその事情を反映したものだった。

回答した心理学者のアドバイスの中には「お父さんに手紙を書いてみて(投函はしない)自分の気持を整理してみましょう」というものがあって、なるほどと思ったが、人生相談の基本は国がどこでももちろん変わらないのだろう。しかし相談する人が置かれた状況はやはりとてもスウェーデン的だ。

さて、私が相談するとすれば「外国人として暮らしている国で外国人排斥的な考え方を持つ極右政党を支持する人が25%まで増えてきました。どうすればいいでしょうか?」だろうか? でも政治的な質問はできないようだ。残念だわ。

充実の専門家パネルがあなたの質問に答えます

死期の近い父がまた連絡を絶とうとしている

© Hiromi Blomberg 2023