2007年からブログを続け、今、スウェーデンで一番影響力をもつインフルエンサーの一人、アレクサンドラ・”キッシー”・ニルソン。
彼女の悩みは、インフルエンサーとしてどれくらい企業のマーケティング活動に関わっていいのか、その境目が曖昧なこと。消費者庁へ問い合わせをしてもクリアな回答はえられないという。
業界別の労働者組合運動が伝統的にさかんなスウェーデンでは、インフルエンサー向けの組合を模した組織もあるそうで、この組織ではインフルエンサーの権利を守るために傾向や問題となった事例を集めたり、インフルエンサーの相談に乗ったりしている。
組合の会長によると、スウェーデンのインフルエンサーの倫理観は高く、自分でも推奨できる製品やサービスと協業しようとこころがけている人が多いという。
一方で、消費者からの苦情を受け付ける消費者庁は、かなりことなる見方だ。インフルエンサーがお金をもらって、マーケティング活動の一環として製品の推奨を行っていることがわからず、騙されたという苦情が増えている。
増え続けるインフルエンサーマーケティングには、すでに2017年の時点で6億5000万クローナ(約78億円)が投入されたとみられており、国税庁もこのマーケティング手法まわりのお金のやりとりを今年の重点監察分野の一つとしてあげている。
スウェーデンではテレビ広告などでも、有名人を起用したものなどはあまり多くない。去年、ボルボがスラタン・イブラヒモビッチを起用していたのが、最近の目立ったところだろうか?このあたり、日本の消費者のほうが、有名人と広告とお金の関係を正しく見極めているように思います。