swelog 今日のスウェーデンのニュース

多様化社会、環境、移民、働き方などスウェーデンのちょっと違った「ほんまかいな!」なニュースから、毎日ひとつ選んで紹介しています

「つぶれる面子なんてない」

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連日、社会担当大臣、労働担当大臣、教育担当そして文化担当などの大臣たちの新対策決定発表の記者会見がひっきりなしに行われる(ちなみに上の大臣たちはみんな女性だ)。

その中で今回の政府のコロナ危機対策の取りまとめも兼任する内政大臣のミカエル・ダムベリには、私はなんとなくぼんやりとした印象しかなかった。カリスマ性はないし、力強さもない。でも昨日の夜のニュース・スタジオでのインタビューを聞いていて、この人も政治家としての肝が座っているな、とちょっと見直した。彼は何を話したのか?

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ー ニュースキャスター 政府はこのパンデミックにどう対処してきたのか?

ダムベリ「ワクチンができるまでには長い時間がかかる。スウェーデンの死者数は高く、他の北欧諸国より多い。一方、ロックダウンを行った他のヨーロッパ諸国よりは低い。高齢者施設や高齢者へのホームヘルパーでの対応が、スウェーデンの弱いところとして出た」

ー デンマークの死者数は533人、フィンランドが284名でノルウェーが229人。アイスランドは10人だ。北欧各国すべて合わせても1056名なのに、スウェーデンの死者の数は3460名。人口比にすると、スウェーデンの死者数は5倍も高いことになる。

「つらい数字だし、数字だけの問題じゃない。これは誰かの母親のことであり、誰かの子どものことだ。(そういった形で)私たちの記憶に残ることになる」

ー どうしてスウェーデンの数字だけこれほどまでに高いのか?

「考えられることはいくつかある。まず(2月前半の)スポーツ休暇の時に、後にウイルスが蔓延していたことが明らかになった国々にかなりの数のスウェーデン人が旅行にでかけたこと。2万から3万人のスウェーデン人が、この期間にアルプスへスキーにでかけ、ウイルス感染を持ち帰った。しかし、その後は介護サービスの現場などでの感染の拡大を防げなかった。スウェーデンで新型コロナウイルスへの感染が原因で亡くなった人の75%がホームヘルパーサービスを使っていたり高齢者住宅に住んでいる人たちだった。感染が広がり始めた時の対応は十分ではなかった」

ー こんな高い数字を前にして、やり方が間違っていたと思ったことはないのか?

「このような危機的状況下では、人は何度も何度も「他にもっといいやり方はないのか? と考えるものだと思う。私たちは当初、高齢者住宅への立ち入りを禁止したが、今はそこで働く人たちを教育し直すことに注力している」

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そして、彼がインタビューの最後の方で言ったのが、

「他の国でこのやり方の方がとてもうまく機能したとか、新しくまとめられた調査結果でこれまではわかっていなかった新事実が明らかになって「こうやるべきだったのだ」ということがわかったときには、私たちにはつぶれる面子なんてない。再検討して、方針を変更し、少しでもよい結果がだせるようにするだけだ」

間違わないにこしたことはないが、間違っていることがわかった時にはこの国の政治家たちは間違いを認めて変化を起こすことを躊躇しないだろう。

そうはいっても目の前に出された数字は重い。ダムベリがいうように数字は数字としてだけではなく、私たちの中で受けとめきれない重みを持ったものとして記憶されていく。

スウェーデンの高い数字にダムベリのコメント「辛い数字だ」