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深刻なスパイ疑惑はどこまで解明されるだろうか

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月曜日の第一報には驚いたが詳細はよくわからず、昨日もドイツのメルケル首相やフランスのマクロン大統領の遺憾表明が広く報道はされていたが、今朝に至ってもまだ真相は伝えられていない、今回のスパイ疑惑事件。

デンマークの公共ラジオ局やノルウェーのNRKと共に、今回SVTが報道したスクープは、デンマークがアメリカの諜報機関NSAに協力して、スウェーデンなど隣国の政治家や上級官僚を盗聴していたスパイ疑惑に関わるもの。デンマークの諜報機関では、2014年から2015年にかけてこの疑惑に関する内部調査が行われいて、このスパイ行為はあったと結論付けた報告書にまとめられていた。

今回の報道は、この報告書がまとめられてから5年経った後に、ある内部告発者によりデンマークの国防大臣の手に渡り、その後大臣は諜報機関幹部数名を辞任に追い込んだ、という流れで報道されている。

NSAはデンマークの諜報機関の所有するスパイ用設備を使い、政治家の電話番号を手ががりに、デンマークとスウェーデンの間のインターネット用回線からデータを抽出していた。

報告書には、このスパイ活動で抜き取られた2012年と2014年にスウェーデンの政治家が行った検索結果や、チャットやメッセージのやり取りといったものが、諜報のサンプルとして示されていた。

スパイされていたのはどんな気分だ? と聞かれたスウェーデンのロヴェーン首相は、過剰な憶測はすべきではないと発言しながら、だからこそ真相を知りたいと話している。同盟国に諜報されるのは深刻な出来事だとも。

アメリカのホワイトハウスも事件解明に協力していくと表明しているそうだが、今後どこまで詳細が明らかにされるのだろうか? アメリカのNSAは日本や韓国などの同盟国へも同じようなことをしてそうだな、と考えちゃうのは、結構自然な流れだと思うのだか、いかがでしょう?

ロベーン首相がスパイ疑惑について「真相は解明されなければいけない」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023