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マジック・マッシュルームをうつ病治療に

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カロリンスカ研究所とストックホルム広域圏医療は共同で、いわゆる”マジック・マッシュルーム”に含まれるサイケデリック成分であるシロシピンをうつ病の治療に使用する研究を開始する。

研究プロジェクトのカロリンスカ研究所サイドの責任者であるヨハン・ルンドベリさんは「たった1つの錠剤でその後数ヶ月に渡ってうつ状態を改善効果があるようだ」と話す。

ストックホルム圏では、10万人近くの人がうつや落ち込みにより病院での治療を必要としている。多くの人は治療で効果がみられるが、それでも約3分の1程度の人には現在使用されている薬やセラピーなどでは改善がみられない。

医療の現場では1980年代にSSRI薬が開発されて以降は、治療法に大きな変化はない。今回の研究グループは、SSRIに変わる精神伝達物質を見つけることを目的として過去の研究文献をリサーチ。そして、これまでに小規模でまたかなり実験的な研究ではあったものの、効果が認められまた毒性も依存性もないとされているシロシピンを使った研究の開始を決定した。

来年、年明けから30名が参加して始まる実証実験では、錠剤の服用後数時間は精神的作用で恐怖や気分な気分が数時間続く人もでると考えられるため、服用は医療機関で行われ精神科医が同席することになる。

LSDと似た科学的特性をもち、幻覚を引き起こすが不安感を低下させ幸福感や肯定感を引き起こすとされているシロシピンは、目下アメリカでも抗うつ剤としての治験が行われているようだ。

ニュースには、今回のスウェーデンでの研究はOsmond Foundationが研究費用を出していると書かれていて、Osmond? 聞いたことないなと思って検索してみたら、これは今年新しく創設されたもので、おそらくこの研究をファイナンスするために今回創設されたもののようだ。

取締役にどこかで見た顔の人がいるなぁ、と思ったらスウェーデンのスタートアップの星、クラーナ(Klarna)の創業者の一人のニコラス・アーダルベルツだった。彼は2015年にクラーナを離れ、社会的課題の解決を目指すスタートアップを援助するNorrskenという慈善財団を立ち上げ活動しているけれど、お金持ちになるとこうして自分がよいと思う方向に世の中を導いていくことにお金を使えるようですね。

ストックホルムはマジックマッシュルームでうつ病の治療研究へ

© Hiromi Blomberg 2021