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変わる電動キックボードをめぐる状況

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スウェーデンで電動キックボードが出現したのはたった1年ほど前の2018年8月。

今、ストックホルムではスウェーデンのスタートアップであるVio、ドイツから来たLimeの他にも7社が参入してすごい状況になっている。

導入当初は一般の消費者向けの電動キックボードを使用したことから、たった40日から数ヶ月で廃棄される運命の「使い捨て」だった電動キックボードも、その後レンタルでの酷使に耐える改良が進んでおり、Vioが今年導入した最新モデルは約1年ほどの寿命があるそうだ(あくまで予定だが)。Voiは今、2年は使える次世代モデルを開発している。

電動キックボードのビジネスの持続性は、キックボードの耐久性の問題と電池の切れキックボードの充電に関わるコストにもかかっている。現時点ではトラックで電動キックボードごと回収し、充電基地で数時間充電した後街路に戻すという作業を、ストックホルムだけでも100人以上の作業員が夜な夜な行っている。Voiが現在開発中の電池部分が取り外しできるモデルになれば、充電作業のコストはぐっと下がるはずだ。(そうなれば今度はバッテリーの盗難が心配?)

自転車や歩行者との接触事故で死者もでた状況に関しては、国家交通局側でもこの夏から現状の把握や変更すべき交通法規がないか検討中であるし、改善すべき点をすでに具体的に提案している政治家もいる。

それは、例えば、現在の自転車や電動自転車と同等扱いから、独自の走行速度や走行レーンの制定などキックボードだけで独自のカテゴリーを作ることであっったり、今のところ誰でも自由に規制なくはじめることのできる電動キックボードビジネスを、コミューンごとの登録制にして制定したルールのもと運営されるべきだ、というものだったりする。

いずれにせよ、批判が噴出し改善すべき点が議論されるのは電動キックボードの未来にとってもいいはすだ。

私の今の懸念はせっかく次世代電動キックボードが投入されても、これから秋から冬になってくるとやはり乗る人は極端に減ってくるだろうな、ということ。スウェーデン冬にこの乗り物は厳しい。なぜか冬の山中湖の白鳥の足漕ぎボート(スワンボート)を思い出してしまった……

Voiがもっと持続可能性のある次世代電動キックボードの導入を約束

© Hiromi Blomberg 2023