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電動キックボードは夜、乗るな

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デンマークのきゅうりのニュースではないけれど、毎年夏や機会がある度にしつこく取り上げている電動キックボードの話題。

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昨日ノルウェーで決まったのは電動キックボードの夜間の使用禁止令。

これにより夜の11時から朝の5時までの間、電動キックボードは使えないことになった。SVTの報道によるとノルウェーのオスロは人口あたりの電動キックボード数がヨーロッパの中でも一番多く、また直近の3ヶ月だけでも24%増加して今25,700台となっている。

電動キックボードでの事故は、夜にアルコール飲酒した人によるものが多くオスロ大学病院の医師は、この規制でこの夏300人から400人の負傷者を未然に防げることになっただろうと話す。

ヨーロッパの他の都市でも、例えばコペンハーゲンでは電動キックボードの貸し出し規制区域を規定したり、パリ市は事故を減らすために電動キックボードの速度制限を事業者に迫っていたりという動きがある。スペインやデンマークでは乗車時のアルコール摂取量の制限がある。

スウェーデンでは、事後が増え続けているにも関わらずこれまでこれをいった規制はされてこなかった。

ヨーテボリのサルグレンスカ大学病院の医学生のまとめによると、電動キックボートで怪我をする人の多くは飲酒とヘルメットの不着用が原因。調査対象の127人のうち半数以上が事故の前にアルコールを飲んでおり、またヘルメットを付けていた人は1割にも満たない。サルグレンスカの医師は夏の事故の多さは他の救急対応体制を圧迫するとして、電動キックボートの社会的コストでは、デメリットがメリットを上回っていると考えられるので、医学的見地からは電動キックボートは禁止してほしい、と話している。

オスロほどではないが、ストックホルムにも今14000台の電動キックボートがある。夜間の貸し出し禁止は、事後防止策としてはとても有効なものかもしれない。

電動キックボードの規制強化 ノルウェーでは夜間の使用禁止(SVT)

電動キックボードの重大事故を病院が警告 (Sydsvenskan)

© Hiromi Blomberg 2023