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metooと名誉毀損

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一読しただけでは、その問題点は何なのか、何が議論されなければならないのか、何について判断をするべきで、そのために知らなければならない情報は何なのか、ということがよくわからないニュースがある。

今日取り上げた「metooの名誉毀損で訴えられた女性は、全員が有罪判決」というニュースは、その表題を一読しただけではどのような内容を扱っているのかすら掴めなかった。

これはスウェーデンの犯罪検証番組がまとめた有罪事件の検証で、metoo以降に起訴され判決が出された性的暴力に関する名誉毀損に関わる実例を扱っている。

もっと具体的には、「性的暴力を受けた」とSNS上などで女性から名指しされた男性が、女性を名誉毀損で訴えた10の判決例を調べると、そのすべてで女性側が有罪判決を受けていたというものだ。

この名誉毀損の罪で有罪判決を受けた女性のうちの一人、ケイティは、性的暴力の被害にあった旨警察に届け出たが、ほとんどまともに扱ってもらえなかったのでSNSへ投稿するという手段に訴えたと話す。警察はケイティへも、相手の男性、さらにその被害の証人としてケイティがあげた人物へもまったく聴取も行われないまま捜査を打ち切ったと彼女は証言する。

ケイティはその後も控訴を続け、調査が再開されたがまた不起訴として処理される、ということをことを何度か経験した後に、その男性の名前を写真をインスタグラムとフェイスブックで投稿するという手段に訴えた。その後、警察の捜査は再開され、最終的に男性は起訴されたが、地方裁判所で出された判決は男性の無罪。ケイティはその男性から名誉毀損で訴えられ、有罪判決を受けた。

という長い説明が「metooの名誉毀損で訴えられた女性は、全員が有罪判決」の記事が伝えることだ。

ケイティは司法制度に失望しているが、その男性に関して警告を発したかったと話しており、男性には無罪、自分には有罪判決がでたという結果を予め知っていたとしても、同じことをしただろうとコメントしている。

このニュース記事から私は何を考えればいいのだろう? すぐに思いつくのは、swelogでも何度も取り上げてきた警察の人手不足の実情だが、それだけではない。しばらくは何を考えればいいのか、を考えることにしよう。

metooの名誉毀損で起訴された女性全員に有罪判決(SVT)

© Hiromi Blomberg 2021