つい先日解消されたマイナス金利だが、木曜日の財務大臣からの今後の暗い経済見通しを受けて、またマイナス金利に戻る話が浮上してきた。
この会見では今年のスウェーデンのBNPの伸びは1.1%、失業率は7%まで上昇するだろうと予測が発表された。財務大臣は、ゼロになった金利をまたマイナスにすることで、状況の改善をはかりたいようだ。
しかし、景気対策として5年続いた中央銀行のマイナス金利を以てしても2%のインフレ目標は達成されていない。そして、そんなマイナス金利政策 にルンド大学のラーシュ・ヨウング教授が大きなダメ出していた。
ヨウング教授は、マイナス金利は、①既に不動産や株式などの債権を所有する富裕層をさらに富ませるだけで社会格差を助長し、加えて②スウェーデン・クローナが他の通貨に対して安い状況が続いていることで、すべてのスウェーデン人を相対的に貧乏にしてしまう政策だと批判している。
さらにマイナス金利は物価上昇目標さえ達成しておらず、どこからみてもよいところが認められない、と強い口調だ。
SVTのアナリストは、政府は金利をまたマイナスに戻してほしいようだが、中央銀行はしばらくは「ゼロ金利」を続けるだろうと分析していた。
銀行にお金をおいておきさえすれば増えていった昔が懐かしいが、きっとそんなことはもう起こらない。私は1年半ほど前に重い腰をあげて、日本でいうNISAのような毎月少額で積み立てる投資信託を始めた。ほどほどのリスクのフォンドでも年に10%以上は伸びている。
ほんの少額なのでこれでお金持ちにはなりそうにないが、そのフォンドの積立をしないままだっただろう私と、今、毎月ほんのわずかでも金利を伸ばしている私の間の「経済格差(?)」は実感できる。
ヨウング教授の指摘に加えて、「マイナス金利」のもう一つのネガティブな側面として「マイナス」って聞くとなんだかさみしい気持ちになることも挙げたい。
まぁ、私たち庶民にとっては「マイナス」でも「ゼロ」でもあまり変わりはないだろうから、今年もなんとか「プラス」になるようにお金の運用をもうちょっとちゃんと考えますかね?