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デンマークとノルウェーを待つ長い道のり

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これまで厳しい社会隔離規制をとってきたヨーロッパ各国でソロリソロリと社会の正常化の試みが始まっている。昨日の夜のニュース番組『Agenda』では、デンマークとノルウェーの公衆衛生庁の責任者とカメラをつなげて、これからの自国の課題やこれまでスウェーデンがやってきたことへの評価をインタビューしていた。

スウェーデン、デンマークとノルウェーで新型コロナウイルスでの最初の死者が出たのはほぼ同時期。デンマークとノルウェーはそこから厳しい社会隔離で感染を低く抑えてきた。国の大きさがこの両国に比べると2倍以上ということを差し引いても、スウェーデンの現時点での死者数の多さは特出している。

ノルウェーのアンデシュ・テグネル(?)、ノルウェーの公衆衛生庁の感染症対策責任者Frode Forlandは、だからといってノルウェーが成功したとは現段階ではいえないと言う。

「長期的な視点でみないとどの対策がいちばんうまく機能したかというのは難しい。これまでは、私たちは最初にたてた戦略の目標通りに感染症の拡大も抑えられているし、医療もうまく機能している」と話したあと、

「(これから社会隔離規制を徐々に解除していく過程で)感染は広がっていくという前提で今後に備えている。私たちは厳しい規制から始まり、ゆっくりと規制を緩和していくというものだ。スウェーデンのやり方は反対だったが、この先(どっちが)どうなるかはもう少し長い視点でみないとわからない」と続けた。

デンマーク側から参加したのは、現職ではなく前責任者であるElse Smithだったが、彼女は、スウェーデンのやり方も間違ってはいないという見方だ。

これまでにデンマークで実施された感染検査の結果からは、国民の間で感染しているのはほんの一部と考えられる。今後、隔離規制を解除していく中で感染すると重症化してしまうと考えられている人たち(高齢者たちなど)を守りながら、どう舵取りをして進めるかという長い道のりが待っているからだ。

それにしても三カ国間でお互いの言語でを話しながら意思疎通ができるのは便利だ。でも「ノルウェー語はわかってもデンマーク語はやっぱりわからないわー」と夫に訴えたら「ノルウェーの人、スウェーデン語で喋ってたけど」と言われた。

そうか、だからわかったのか……。みなさん、器用ですね。

「長い目でみないと私たちのやり方がより優れていたかどうかはわからないだろう」

© Hiromi Blomberg 2023