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銃撃事件を目撃証言する、とは

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これまでは銃撃事件とは関係ないと思われていたマルメ郊外の静かな住宅地で、25歳の男性が銃で殺されるという事件が水曜日にあった。この事件はデンマークのギャング団の抗争に関連があると発表されたが、銃声を聞いた近隣の住民たちから通報があり、警察が駆けつけた。

9月にルンドの街中で白昼堂々と起こった50人の殴り合いの事件でも、その出来事を目撃した人は多数。偶然その場に居合わせて、このような事件の目撃者となってしまったら、私は、あなたは、どうするだろうか?

SVTが全国の犯罪被害者サポートボランティア団体(Brottsofferjourer)への取材し、そのうち39ヶ所から得た回答では、スウェーデンでは事件の目撃者として証言することをためらう人が増えている。以前は犯罪当事者やギャング団など、限られた人の周囲で求められていた事件の目撃証言が、これまでこのような事件と関係がなかったような場所で起こることが増えているからだ。

SVTのレポートは、偶然発砲事件を目撃することになった21歳のサーガさんが裁判に向かう様子を追っていた。事件の現場に居合わせたのは彼女ひとり。犯人も彼女の存在に気づいており、現場にはすぐに警察も表れた。

これからの人生で、犯人やその関係者から脅されたり、殺されたり、また名前や住所を変えたりといった人生を狂わせられるような目に合わないかと恐れたサーガさんは、目撃者として証言したくなかった。警察からは、裁判にこない場合は初回では4000クローナ払うことになり、次回はさらに多くの罰金を、そして最終的には彼女を捕まえることもできるとの説明を受けた。匿名で証言することもできない。

彼女に証言する勇気を与えてくれたのは犯罪被害者サポートボランティアで、裁判へ向かう彼女に付き添い、なんとか当日を切り抜けることができた。サーガさんの場合は、犯人が裁判で自らの犯罪を認めたことで、目撃証言が徹底的な証拠にはならず胸をなでおろすという結果になったが、もし犯人が自認していなければ恨まれるようなことになったかもしれない。

こういう時に私は、人間として自分が常日頃こうありたいと思っている価値観で行動することができるのだろうか? 自分自身に対して自信がないが、サポートしてくれる団体が全国にあると知り、少し安心した。Brottsofferjourenへの電話番号は116 006です。

ブンケフローストランドの殺人事件はデンマークのギャング団の抗争に関連(SVT)

「最初は証言したくないと言いました」目撃者となったサーガさんの裁判所での様子を取材(SVT)

 

© Hiromi Blomberg 2022