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難関の警官職、危険と給与はセットでね

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警官が足りていないという話はこのブログでも何度か書いたけれど、実はなりたい人は増えているけれど、警官にはそんなに簡単になれないのだという背景にも言及した記事があったので紹介します。

現行の仕組みでは、警官への応募の受付は年間を通して行われていて、今年に入ってからも既に18437名の応募があった。でもそのうち条件を満たして警察学校の入学資格があるとされた人はそのうちのわずか4割。

入学できるには性格や体格、心理的プレッシャーへの耐性や国家セキュリティや薬物使用に関する条項まで、様々な条件を満たさなくてはならない。さらにはそこから警官教育が始まる。

2016年の春学期には応募総数4589名で、そのうち入学資格のあったものは1917名だった低迷していた状況から、今年の春学期は応募者17000名、入学への条件を満たしていた人はは6523名まで増えてきている。

また、非常に危険な職業にも関わらず給与が全職業の平均値より低いこともあり離職する人も多かったが、これが政府の方針で警官の給与の見直しが行われ、2019年は平均で6%近くと他の公務員の昇給率の倍程度の昇給となった。これに伴い離職も抑えられており、さらには一度警官をやめた人たちが再度戻ってくる例も増えていると警察の採用担当者は話している。

現在、スウェーデンの警官は全国で20800名。この先2024年まで継続して警官を増やすことを目指している。日本で警官が足りてない、というニュースを聞いたようには思わないのだが、足りているということなのかな?

警察学校への応募は増えているが、その資格を満たすものは少ない

© Hiromi Blomberg 2023