新学年が秋から始まるスウェーデンでは、リクスダーグと呼ばれる国会の会期も9月から始まる 。9月8日から始まったこの2020/2021年の会期で、国民が今一番関心を寄せる政治的課題は①医療、②法と秩序に③移民問題と続く(2020年9月第一週、Novus調べ)。
6月に行われた同様の調査では、コロナ禍を反映して医療を最重要課題と上げた人は68%いたが、これがこの3ヶ月間の感染拡大の落ち着きにあわせて55%へと下落。それと入れ替わる形で、45%から55%の人が今の最重要課題として上げたのが「法と秩序」の問題だ。
スウェーデンの反社会的勢力、暴力団、ギャング団による行動はエスカレートする一方で、一般市民までを巻き込んだ銃撃戦も絶えない。警察は近年の取締り強化にも関わらず、これまでのところ反社会的勢力を抑えることに成功していない。
8月頭には12歳の少女が暴力団間の闘争に間違って巻き込まれ銃弾を受けて死亡するという痛ましい事件も起きており、今スウェーデンで全国4000人以上いるとされている反社会的勢力への厳しい取り締まりを望む声はますます高まっている。
そしてその背景にはスウェーデンで犯罪に従事するためにやってきた血族的なつながりを基盤に持つ国外からのギャング団の存在も指摘されており「法と社会秩序」の問題は「移民」の問題へともつながっていく…
社会民主党のロベーン首相が率いる現政権は、医療や福祉の問題においてはその手腕に国民からの信頼を得ているが、社会秩序や移民問題では中道右派の穏健党や、極右政党のスウェーデン民主党に期待する人が多く、今期の国会で現政権はかなり厳しい局面に立たされそうである。
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…、とここまで書いてきたところで、少し話はズレますが、公的機関のコミュニケーションデザインの話をさせてください。
今、リクスダーグの会期をちゃんと調べようとオフィシャルサイトで確認したら、このサイトがわかりやすい。リクスダーグに限らないが、スウェーデンの公的機関は、政府から行政、地方自治体に至るまで、サイトのデザインや情報の提示の仕方がとても上手だ。
すっきりと見やすくオシャレだし、ほしい情報へすぐたどりつける。会期に関しても、これはもしかしたら小学生の学習用に作ったものなのかもしれないが、味のあるしゃれたアニメ動画でも説明されていた。
翻って日本の国会は? と思って衆議院のサイトを覗いてみたら、そのデザインセンスの差に愕然… 確かに情報はきっちりとリスト化されていてわかりやすいのかもしれないが、このページを見てもまったくワクワクしない。
日本のデサインって特に商業的な分野では優れたものが多いのに、なにゆえ公的機関は概ねこうなってしまうのだろう? まさか、わざと国民を煙に巻いてやろうとかの悪意ではないですよね🤔
このあたりのコミュニケーションデザインが変わると、一般市民の政治への距離も縮まらないのかな? と思ってしまう私はいささか楽観すぎるのだろうか?
【追記・9月13日】
とかなんとか愚痴ってたら、日本でもシビックテックのこんなすてきな流れが生まれているのを知りました! いいですね ☺︎