機能しない「選択の自由」
スウェーデンでは小学校から、生徒と保護者が望み、枠があいていれば通う学校を選択することができる。
制度は住居地により偏ったバックグランドの生徒ばかりになってしまわないようという意図もあり制定されたものだが、これがうまく機能しておらず、逆に学校と学校の間は隔絶されていくばかり。
全国で一番分断が進むストックホルムでは、学校により外国のバックグランドを持つ生徒の割合は98%から4%までと大きな開きがある(外国のバックグランドを持つとは生徒が外国で生まれたか、スウェーデンで生まれたが、両親が両方共外国で生まれた生徒をさす)。
隣同士でもまったく異なる現実を生きる
ある学校では、ほとんどの生徒にとってスウェーデン語は母国語ではなく、30の異なる言語を母国語とする生徒が一緒に学んでいる。ここで生徒をつなげているのは国や言語ではなく、スウェーデンに来るに至った経緯の類似性だろう。
すぐ隣町の学校では外国のバックグランドを持つ生徒は9%。ストックホルム県全体でみると同率は30%なので、学校による偏りは大きい。
学校選択の自由はあるが、枠は近隣に住む生徒が優先されるので、これが当初の意図を妨げてより分断を助長していると専門家が指摘している。
今回の調査はSVTが独自に行ったもので、ストックホルム市の220の学校のうち24の学校では85%の生徒が外国のバックグランド、逆に35の学校ではその率が10%以下となっており、前者の学校では生徒は「スウェーデン人の生徒」がほとんどいない環境で毎日を送っている (2017-18年度)。
今朝は朝のニュースでこの問題を取り上げたあと、7時から視聴者が自分の意見を書き込めるページがオープンしているので、ぜひこちらも見てみてください。
ストックホルムの学校はこんなに分断されている (SVT Nyheter)