800人の雇用主に架空の求人票を評価してもらうという調査の結果、スウェーデンの労働市場では簡単な仕事であっても、スウェーデン語の知識がますます重要となってきていることがわかった。スウェーデン語ができなくてもつける仕事は今ではかなり少なくなってきている。
9月にスウェーデンのハローワーク、雇用サービス庁(Arbetsförmedlingen)に失業者として登録されていた人は33万3000人で、そのうち約半数の15万5000人はEU以外の国で生まれた人。またこの15万人の約半数の8万1000人が長い間仕事につくことができていない長期失業者である。
ストックホルム大学社会学研究所のダーン・オロフ・ルート教授らがこのほどまとめた「スウェーデン語ができることが、外国人求職者へ道をひらく」と題した研究報告者によると、12年前のスウェーデンではEU以外の移民の失業者全体に占める割合は20%を占めるに過ぎなかった。多くの人はスウェーデン語が必要をしない、単純労働や技能を必要をしない仕事につくことを望んでいるかもしれないが、そのような仕事はなくなってきていると教授は言う。
今回の調査は、言語学者と協力して、第二外国語としてのスウェーデン語能力を反映した典型的な架空の応募書類やインタビューの様子を撮影した動画をつくって、それを官庁や中小・大企業の採用担当者に観てもらい採用の評価してもらったもの。
結果では採用担当者のほぼ9割が、スウェーデン語の能力不足が採用時の障害となり、また8割以上がたとえ高い技能を必要としない仕事であっても、スウェーデン語の能力は職場において重要であると考えていることがわかった。
スウェーデンには移民に無料で基礎的なスウェーデン語を教えてくれるSFI(Svenska för Invandrare)という制度があるが、移民の多くはSFIを終了していないこともわかった。仕事につくには、多くはSFIのレベル以上のスウェーデン語が必要だが、SFIコースを終えていないと次のレベルの学校(Komvuxという名の成人教育機関)で学ぶこともできない。
今の新政府は、移民はいれたくない、できれば送り返したいと思っているので、今後滞在許可や国籍取得などの条件に、スウェーデン語能力を盛り込んでくることも十分考えられる。
どの言語も新しく学ぶのは大変だけど、努力はきっと報われると信じたい。私もここで20年以上暮らしていても、未だに何を言っているのか理解してもらえない時が多々あって、くじけるけど、へこたれずやっております。