新型コロナウイルスの身体への脅威を最も受けるのが、感染すると重篤な状況に陥る可能性が高いとされる「高リスクグループ」の人たちであるならば、職を失うという意味で、今、経済的に一番大きな影響を受けているのは「若い女性たち」だ。
これは昨日、エヴァ・ノードマルク労働大臣が記者会見で発言したもの。会見は雇用サービス局からの増大し続ける失業者数の発表を受ける形で行われた。
今年の3月と4月の2ヶ月間で、スウェーデンのハローワークである雇用サービス局に求職者として新たに登録された人は12万2000人、また同期間に解雇されたと登録された人は6万9千人に及ぶ。
解雇された人たちはホテル、レストラン、小売業や旅行業界といった業種に集中しており、これに文化セクターで働く人たちや観光関連の仕事に従事していた人たちが続く。
さらにノードマルクは「解雇された人たちの多くが若い女性だ。また雇用者との関係で弱い立場に立たされていた若い人たち、例えば障害をもっている、移民などルーツが外国にある、高校を卒業していないといった人たちも今回の危機では窮地に立たされている」と述べ、夏に向けた特別予算を発表した。
労働者の夏季休暇が長いスウェーデンでは、もちろん市役所などで働く公務員も長い休暇に入るので、その間「サマージョブ」といって学生や求職している若者たちを募って2,3ヶ月働いてもらう制度がある。
仕事の内容は市町村が運営する公園の管理や高齢者施設での簡単な仕事といった具合だで、夏の短期間のみの仕事だが、これが立派な経験となり次の仕事へのつながっていく大切な可能性を秘めた制度でもある。
昨日発表されたのはこのサマージョブを増やすために、市町村などに向けて新たに1億8000万クローナ(約20億円)を計上するというもの。ノードマルクは「市町村や他の雇用者は思い切り想像力を発揮して、若者たちの仕事を作り出してほしい」と話していた。
何にどうお金を使うかまで細かく決めてから予算を決定するような時間は今はない。統計数字の発表と同時に新しい対応策が発表されるのはいいと思う。あとは、このお金が無駄にならないよう、きちんと運用されることを祈ります。