スウェーデン政府が自殺教唆、いわゆる自殺のそそのかしを犯罪化することを検討している。
あれ、それって既に犯罪じゃなかったっけ? と思った私は日本人。なんとなく覚えていたのは日本の職場でのいじめによる自殺で書類送検された元上司の事件のことだった。
自殺の背後に、意図を伴ったそそのかしやおどし、また他の人の軽率な言動で人が自殺をはかってしまうことは、もちろんスウェーデンでもこれまで警察や身近な関係者などからの証言などでその関係性を指摘されている。しかしそれ自体が犯罪行為にあたるとは、これまでは定義されていていなかった。
今回の法案は、意図を伴ったそそのかし行為には2年以下の懲役、軽率な同等の行為には6ヶ月以下の懲役を可能とするもので、政府は来年の5月からの施行を目指している。背景には近年のSNSでの誹謗中傷による自殺の増加があることは明白だ。
自殺教唆を調べると、このブログでは何度かとりあげた自殺幇助についても日本では同様に既に(というよりは長らく)犯罪とされてきたことがわかる。
このあたりの社会文化的背景を分析してみると、いろいろわかることがあるのかもしれないが、かなり辛い比較研究になりそうだ。
と思ったら、スウェーデンの法的扱い方と似たドイツと日本の自殺関連法規を比較研究し、明治40年に日本の自殺関与罪ができた背景を解説した論文を見つけました。今すぐ読むのは辛そうだけどリンクをはっておきます。自殺関与・同意殺人の法的性質について