スウェーデンの非営利慈善団体にとって、寄付金集めにフェイスブックが果たす役割は大きい。このSNS上で、個人が希望する団体への寄付を呼びかけることができるようになってから、誕生日のプレゼントの代わりに寄付をしてほしいと呼びかける人が増えたからだ。
フェイスブック上での個人からの寄付の呼びかけと寄付団体への入金は手数料もかからず、寄付されたお金が100%団体の手元に渡る。使い方も簡単だ。
子どものがん患者を支える活動を行うBarncancerfonden(子どもがん基金)では、今、毎月100万クローナ(約1300万円)がフェイスブックを通じて寄付される。2019年の1年間ではBarncancerfondenの元に集まったのは4億6000万クローナ(約58億円)で、そのうちの2300万クローナ(約2億9000万円)がフェイスブックを通じて寄付されたものだ。
スウェーデンの非営利団体の取りまとめ機関であるGiva Sverigeは、2019年にスウェーデンでフェイスブックを通じて寄付された金額は1億1000クローナ(約14億円)で2018年と比べて38%の増加となっているとまとめている。
スウェーデンの世界自然保護基金も2018年からフェイスブックを通じた寄付を増やすために活動している。2019年ではインターネット上の非定期の寄付のうち25%がフェイスブックを通じて行われたもので、その率は2020年では20%だった。
世界自然保護基金の担当者は、一個人からの寄付はSwish(スウェーデンでほとんどの人が使うスマホ送金アプリ)への移行というトレンドがみられるが、みんなで一緒に寄付しようと呼びかけることのできるフェイスブックの機能は重要だと話す。
セーブ・ザ・チルドレン、グリーンピースといった団体のスウェーデンの責任者たちも、フェイスブックでの寄付は、お金を集めることができるだけでなく、呼びかけ人が大切にしている価値を広げることができる点を指摘する。
私は、スウェーデンでは個人で寄付をする人は日本と比べてとても多いと感じている。Give Sverigeが取りまとめた2019年の統計では多くの寄付金を集めた団体は以下の通り。
- Cancerfonden(がん基金)8億5900万クローナ(約108億円)
- Unicef Sverige(ユニセフ・スウェーデン)6億6500万クローナ(約84億円)
- Läkare utan gräncer(国境なき医師団) 6億2000万クローナ(約78億円)
- Rädda Barnen(セーブ・ザ・チルドレン)5億5200万クローナ(約69億円)
- Barncancerfonden(子どもがん基金)4億6000万クローナ(約58億円)
日本でも寄付は年々増えていて、特に日本では災害時に寄付をする人が多く全体でみると法人からの寄付が多いのが特徴のようだ。
日本の国境なき医師団は、個人による寄付がほとんどで2019年度には112.6億円を集めています。