私が週4日労働やオーガニック食品の消費傾向について書いていた間にも、スウェーデンでは次から次へと大きなニュースがあり、それは突然地すべりで崩壊した高速道路のことであったり、ひっきりなしに起きる銃殺事件や爆破事件のことであったりする。
ギャンク団のメンバーやその親近者たちが、一般市民の生活に近いところで撃ち合い、住んでいるアパートに爆弾を仕掛けあうなど、抗争はとどまるところを知らない。
昨日は、警察は銃撃や爆発などの重大暴力事件が起こる可能性のある場所150件ほどをストックホルム近郊で把握していることをSVTが伝えていた。これは、ギャング団の構成員、その親戚や友人、そして仕事場などがある場所だが、警察は把握はしているものの、すべての場所を監視するだけのリソースはない。
ストックホルム郊外と共に、この1ヶ月でも爆破や銃撃で3名の殺人事件が起こっているのがウプサラだ。警察はこの街でこれからも暴力事件が続くであろうこと、そしてそれに一般市民が巻き込まれないように保証することはできないと言う。
ギャンク団の抗争の影響は、ウプサラの大学病院の手術室にも現れている。これまでは、銃撃による緊急手術が行われた件数は2018年の1年間で11件というのが最大だったが、今年は9月で既にその件数に達した。17年間救急の外傷外科医として治療に携わってきたリンダーさんは、仕事を始めた頃は銃で撃たれたという事件は年に1度か2度あるかないかで、またギャング団の抗争に関連したものはひとつもなかった。それがここ1年は、一週間に一度くらいはナイフで刺されたり銃で打たれた患者が担ぎ込まれてくるようになった。またこの数週間では、通常、半年に一回するようなレベルの手術を既に6回も行っている。
ウプサラはルンドと同じスウェーデンを代表する大学街で、この地で人々が銃撃や爆破の恐怖や不安と共に過ごさなければならないという状況は、遠く離れた場所で起きている他人事とは思えない。
人々の警戒心は各地で高まっているらしく、昨日は会社の同僚が、ルンドでも一昨日、住宅地で不審物が発見されて、警察が出動し、そのことが警察が公開している出動一覧にでていることを教えてくれた。そんなリストが公開されているのも驚いたが、たしかにここでもそんなことがいつ起こってもきっと不思議ではないのだろう。ルンドで数年前に起こったのは50名を巻き込んだ殴り合いで、その時はびっくりしたけど、そんなものは、まだまだかわいい事件だったのだとしか言いようがない。
警察は次の暴力事件が起こるかもしれない150件の住所をつかんでいる(SVT)