久しぶりにアンデシュ・テグネルのインタビュー記事を読んだ。週末にSvDがテグネルに取材した長めの記事を掲載し、昨日は、このインタビュー記事を受けて、人気作家がテグネルの功績を称えるコラムをダーゲンス・ニュヘテルに寄せていた。EUがコロナ禍での各国での超過死亡率統計をを発表したが、スウェーデンが一番低いという結果になったからだ。
スウェーデンは(というか、スウェーデン公衆衛生庁のアンデシュ・テグネルは)、新型コロナの感染が拡大していく中で、他国とは異なる路線での対策を貫き、世界中から非難の声を浴びた。
コロナ禍でもスウェーデンは、国境閉鎖や社会的なシャットダウンを行うこともなく、他国のコロナ対策にまったく同調するようなことがなかった。私の感覚では、多くの国民はテグネルの方針を支持していたように思うが、一部の強い反対勢力からの攻撃も激しく、テグネルには一時期、警察の警備がつくほどだった。
テグネルはSvDのインタビューでは「超過死亡率だけがすべての答えではない」と、自身の対策を褒め称えようとする動きを謙虚に修正しようとしているが、それでも、コロナ禍から3年経って、こんなにはっきりとした数字がでたのは興味ぶかい。
アレックス・シュルマンのコラムは「いつも控えめで穏健だったスウェーデン人が突然世界の中の過激派となり、狂人の集団となったのだ。その中でノルウェー人、フィンランド人、デンマーク人たちが私たちにどのような行動、言動をとったのかを忘れてはいけない」と皮肉を交えて書いているが、私もずんぶん日本からいろんな(多くは批判的な)コメントやメールをもらったし、他の北欧諸国からの仕打ちのことも、ずいぶん取り上げたような気もする。
テグネルは、鬼の首をとったかかのように「ほらみろ、僕が正しかったではないか」と言うこともできたのだと思うのだけれど、こういう発言をしているのは、彼も「控えめで穏健で(そして過激な)スウェーデン人」だということか。