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大金を使った最北部への職・移住プロジェクトの成果は?

人は、資本ほど、簡単に移動して、簡単に居場所を見つけることはできない。

お金儲けの可能性があれば、金融資本は世界のどこにでも自由に移動するが、そこに仕事の機会があるからといって人が移住するのはそれほど簡単なことではないし、そして移住する意思を固めた人がいても、その先で必ずしも職を得られるものでもない。

スウェーデン北部の、バッテリー工場など新規産業で賑わうシュレフテオの街で、足りない労働力を補うため、最南部のマルメの長期失業者に北の地で仕事を見つけてもらおうというプロジェクトが進んでいるが、人の移動はすすまない。このプロジェクトのことは、始まる前にこのブログでも何度か取り上げた。

関連分野のエキスパートにフォーカスしたリクルートはもちろんのこと、今検討されているのは、新しく来た移民で仕事のない人たちへの積極的な募集だ。実施に先立って行われた調査では、仕事に住居、そして教育機会を見つけることが可能であれば、対象者たちはシェルフテオへの移動に積極的だという。他にも長い間仕事が見つかっていない人へのノースボルトは積極的に働きかける予定だという。

swelog.miraioffice.com

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今回記事になっていたのは、EUから資金を得て実施されていたシュレフテオの「Relocate」「React EU Relocate」プロジェクトの結果について。このプロジェクトでは、シュレフテオの担当者がスウェーデン各地を訪れ、失業者たちに説明会を行った。このうちRelocateは長期失業者を対象としており、React EU Relocateの方は、コロナ禍の影響を受けて失業したさらに広範囲な失業者も対象としたものだ。

シュレフテオでは工場で働く人の他に、引っ越してくる人たちの生活を支える、医療従事者、保育士、調理師、学校の教師、職員など、あらゆる種類の人々が必要になる。今計画されている大規模産業計画を実現するためには、シュレフテオを含むスウェーデン最北部で、2035年までに10万人ほど人が増える必要があるが、北の大地への移住はなかなか計画通りには進んでいない。

Relocateは3000万クローナ(約3億9000万円)そしてReact EU Relocateは4000万クローナ(約5億2000万円)の予算をとりつけて実施されたが、参加した人は412人で、そのうちこれまでに仕事を見つけたは38人。また、7人が就業に必要となる教育プログラムを始めた、という結果になった。職のマッチングはなぜこんな難しかったのだろう?

プロジェクトへの参加たちは、引っ越しの際の入居手続きのサポートから休日の過ごし方まであらゆるサポートを受けられるとの説明を受けたが、実際には採用したいと望む企業からの連絡も滞るような状態で、さらにはシュレフテオへでの就職に興味を示したマルメの長期失業の女性たちが見学のためにシュレフテオへの訪問を計画したが、その資金面のサポートを受けるには手続きが複雑すぎるなどの理由から、実際には実現しなかった。いろいろと官僚的な煩雑さあり、ハードルが高かったようだ。

プロジェクトの責任者は、この10億円近いお金が使われたプロジェクトは、遠く離れた土地に職をみつけて移動するには何が必要かと理解するために必要だったといい、これまでに各地の公共職業紹介所と求人を行う自治体の間にはよい協力体制が築かれたが、これからはもっと広範囲な国からのサポートが必要だ、と取材に答えていた。

しかし、10億円のお金で、何を理解できたのだろう?

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私もスウェーデンに引っ越してきた当時、おそらくその時だけやっていたCIAという名の、高学歴の移民失業者のための就業支援プロジェクトに参加する機会があり、数ヶ月だったがルンド大学のスウェーデン語コースに参加している期間中、月に3000クローナくらいのお小遣い(?)をもらいながら勉強したことがある。このCIAでは、イランやイラクから来た、母国では医師や大学教授だった人たちと一緒にパソコンの使い方なども勉強したのだけど、仕事すぐみつかったの、確か、私だけだったんだよな……

マルメの失業者が北で仕事を見つけるはずが、見つかった人はゼロだった(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2023