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兵役を望まない若者たちも徴兵へ

昨年から続いている『スウェーデンについての歴史の話』の最新回で扱っていたのは1600年代で、その中で兵隊に取られたくないので自分で自分の足を斧で切り落としてしまう(ことを想像させる)農民が描かれていた。

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長く続いた平和を背景に2010年にはいったん停止されていたスウェーデンの徴兵制は、2017年に復活し、近年強化され続けてきたが、今年も新しく18歳になる若者たちに徴兵関係書類が届き始める時期がやってきた。

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リンクをあげたニュースレター記事でまとめた今の徴兵制の概要は以下の通りなのだが、今年は一点大きく異なる点がある。

今の仕組みでは18歳になる年にスウェーデンの国籍をもっている若者(二重国籍の人を含む)に、防衛能力評価庁から徴兵と入隊の要件に関する情報が書かれた手紙が届く。

その後、この手紙を受け取った人はネット上で、今の健康状態や学校教育や興味関心に関する質問に答えることが義務付けられている。その後この回答についての分析が行われ動員され兵役検査に呼ばれることになるが、これには全員が呼ばれるわけではない。

動員された人は兵役検査で軍の仕事や訓練に適しているかや、健康状態やまた精神状態が適しているかなどを評価される。そして最終的に防衛軍が適任と判断した若者が基礎訓練と呼ばれる兵役につくことになる。

今年、防衛能力評価庁からの手紙を受け取るのは2006年に生まれた若者たち10万9966人で、そのうち2万8000人が兵役検査に呼ばれそこから8000人が基礎訓練につく予定となっている。

そして今年は2017年に徴兵制が再開されてから初めて、兵役を希望しない人も兵役検査や基礎訓練に召集される可能性があるそうで、防衛能力評価庁では検査に呼ばれる若者のうち6000人から8000人は兵役を望まない人たちになるだろうとみている。最終的に兵役訓練につく人たちの約半分もそのような人たちになるだろうとも。スウェーデンで防衛に参加することは国民の義務であり、本人が望むと望まざるに関わらず、国は召集できる。

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このお正月は『ナポレオン』をみたのだけれど、こちらもちょうど1年くらい前に見た『ノースマン』と同じように、戦いで恐ろしいほど人が殺し合い、死んでいく話だった。

これは最初から最後まで「人が人を殺す話」だった。大自然の中で延々と人と人が殺し合いを続けるのを観続けるこの虚しさは、レオナルド・ディカプリオの『レヴェナント: 蘇えりし者』に通じるものがある。

『ノースマン』にみる、スウェーデンと日本の映画宣伝の大きな違い - swelog

人とはなんと愚かなものよ。私はそろそろ仏門にもでも入るといいのかもしれない。

意志に反して兵役検査に呼ばれる若者は何千人単位に(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023