swelog ニュースで語るスウェーデン

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コロナの時代のヘラジカスローテレビと、スウェーデン人と「恥」の文化

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一昨日は、スウェーデンで世界のどこよりも大きく上昇を続ける気温の変化を取り上げたが、今日から始まったイースターの4連休も暖かい日が続きそうだ。

私もコロナ関連のニュースを追うのに忙しくすっかり忘れていたが、スウェーデンの最北の地ではヘラジカ大移動の季節がやってきていた。昨年の企画の大成功を受け、今年もスウェーデン最北部の森で数千年以上にわたり続いてきたヘラジカ大移動の実況生スローテレビが昨日の朝の7時から始まっている。

今年のスローテレビは本来なら4月15日から放映される予定であったが、コロナでイースターの休暇中も家に留まる人が多い状況を考慮して、急遽この週末から放送することに。これは私の憶測にしかすぎないが、もしかしたら雪解けも大移動も温暖化の影響で早まったということもあるのかもしれない。

今年は設置カメラも28台へと増設され、これから5月3日の真夜中まで連続593時間、毎日24時間生で実況中継される予定だ(延長の可能性あり)。去年はおちゃめなトナカイがでてきて人気をさらったが、制作チームは今年は増強されたカメラでヘラジカやトナカイの他にも熊やリンクスなどの野生動物を捉えることを狙っている。

SVTのネットストリーミングサービスで配信されるこの番組は、世界のどこからでも視聴できるので日本で家にこもっているみなさんも、ぜひ北欧の森の春の息吹をリビングルームにどうぞ!

視聴はこちらのリンクから。  Den stora älgvandringen | SVT Play

For several thousand years the moose have walked the same path to get to the rich pastures of summer. Follow the walk live from Kullberg in the north of Sweden.

番組では動物がカメラに捉えられるのは稀で、ほとんどの時間は森と湖と雪解けの様子が延々と映し出されるだけだが、眺めているとゆったりとした気持ちになることは保証する。昨年はこのブログを読んでくれた人がたくさんアクセスしてくれたのか、スローテレビが終了後、SVTが「日本からの視聴も目立った」とコメントしていたので、ぜひ今年もガンガンアクセスしてみてください。

さて、今日のニュースではもうひとつ「スキー恥」(fjällskam。直訳は「北部山岳地方恥」)と気になったタイトルの記事があった。気候危機に関連して、去年は飛行機に乗ることを「飛ぶのは恥(Flygskam)」と呼ぶ新語ができたスウェーデン。

毎年イースターの休暇ではストックホルムなどの都会から多くの人が北のスキー観光地へ詰めかけるが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大により移動は禁止はされてはいないが控えるように強く要請がでている。

それでもスキーにいく人たちに「恥をしれ!」という意味なのだろう、この「スキー恥」。昨日大きなスキー場に夜行電車で到着した人は20人程度と報道されていたが、どうか大きな感染源とかになりませんように。

しかし閑散としたスキー場にいる20人よりも、ストックホルムのカフェの混み合ったテラス席で密接して座っている状態のほうが危険そう。テレビ局などはキチキチで座っている人たちに積極的にインタビューして「テラス恥」を植え付けてみてはいかが? それより先にテラス席制限が発令されるのかな?

スローテレビ・カメラ増設でヘラジカと一緒にリンクス、クズリ、熊も

スキー場は「スキー恥」の影響大か? 

内政大臣「(テラス席での行動に関する要請は)助言ではなくて守るべきルールです」

© Hiromi Blomberg 2023