swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

北欧通信 113 2023年、夏 / お知らせ・ブログとニュースレターも、この夏、休みます

スウェーデンの農家は、この夏、近年経験したことのなかった深刻な状況に陥ることを心配している。雨が降らず、農地は乾いている。私が5年前の2018年夏に始めたブログ、swelogの最初の記事は「食料自給率」だった。2023年の夏、スウェーデン南部では、2018…

問題だらけのSBB

少し前にHeimstadenについて書いたので、SBBについても取り上げておく。 Heimstadenはスウェーデン、ドイツ、デンマーク、チェコ、オランダを中心に、合計約16万戸のアパートを所有する不動産会社。株主は創業者でもあるノルウェーの不動産王のIvar Tollefse…

ソーンと夏至祭

スウェーデンで最も著名な画家の1人、アンデシュ・ソーン。高揚した瞬間を捉えた絵であると共に、とても物悲しい、彼の最も有名な夏至祭の絵は、スウェーデンに興味のある人ならきっとどこかで見にしたことはあるはず。 夏至祭は夏の盛りを祝う日であると共…

そして、命を狙われようとも

スウェーデンの公共放送、SVTのCEOのハンナ・シェーネは54歳の女性だ。間もなくスウェーデンの民主主義とオープンネスを象徴するイベント、政治集会のアルメダーレンが始まる。開催地であるゴットランドのヴィスビューのあちこちで開催される様々な討論会、…

この夏のいちご予報

今週末の夏至祭に向けて、もう頭の中はいちごのことでいっぱいな人は、今スウェーデンにどれくらいいるだろう(推定2割 ☺︎)。 寒さでやられ、みんなが大好きな国内産のいちごが足りない!なんて大変な年もあったが、今年の夏至祭にはたくさんのスウェーデン…

スウェーデンで一番ギャング団の抗争に詳しいジャーナリスト、ディアマント・サリーフ。

昨日の記事でも名前を出した、犯罪関連事件を専門に扱うSVTのディアマント・サリーフ記者の長いインタビューがダーゲンス・ニュヘテルに掲載されていた。記事を読んで、そう言えば彼のことを何度かこのブログでも書いたことあるなぁと思い、遡ってみてみると…

銃撃事件についてスウェーデンがフィラデルフィア、シカゴ、シンシナティから学べること

取り上げてなかったけど、ここ2、3週間ほどギャング団関連の銃撃事件の報道が続き、また被害者や加害者の年齢も若年化している。ストックホルムは安全な街だと思うが、ヨーロッパ内で比較すると、今のスウェーデンほど銃乱射事件が多発している国もないとS…

北欧通信 112 スウェーデンのベスト・モビリティシティ

今週は、先週は先週のびっくりタイトルとはうって変わって、堅調な感じのこちらの話題。 ふざけた話から真面目なものまで、幅広くお届けしております☺︎ わはは。よろしく! 2030年の気候目標を達成するために各都市が果たすべき役割は大きい。インフラを整備…

H&Mがリサイクルすると回収した服を、センサーをつけて追跡してみたら

こういうのを本物の取材というんだろうな。アフトンブラーデットが、すごい記事を発表していた。「あなたが”リサイクル”した服はここに捨てられる」 昨年12月にバングラディッシュにあるH&Mの工場からの排出量を分析した同紙の二人の記者のもとに、H&Mが店頭…

Z世代でお金がより重要視され、社会への影響力への関心が減る

スウェーデンの15歳〜24歳の16,295人を対象とし(すごい人数だな)昨年の10月から11月にかけて行われたユースバロメーター調査では、若者たちの間で「お金」の重要性が増している一方で、政治などで社会に影響力を与えることは重要視されなくなってきていて…

戦争とチョコレートのボイコット

こちらは去年の冬の期間限定バージョン スウェーデンでチョコレートと言えば、上の写真のMarabou(マラボー)。どこのスーパーでも10種類以上のフレーバーがズラリと並び、定番の味から最近は季節に合わせて期間限定バーションをどんどん送り出し、「マラボ…

声の選べるオーディオブック・声クローンのAI技術はここまで進んだ

AIを使って古いデモ録音からジョン・レノンの声を取り込み完成させた曲をビートルズとして今年中に発表するとポール・マッカートニーがラジオで話したそうだが、今朝はもうひとつ、AIを使ってオーディオブックの朗読の声を自分で選べるようになるという話が…

メディアの中の崩れた体型、シワのある顔

靴下を買おうと思ってすごく久しぶりにリンデックス(Lindex)に入り、下着コーナーも覗いてみたら、私のようなちょっと崩れた体型の人がモデルとなっているポスターが張ってあった。リンデックスはこちらの記事でも紹介したスウェーデンの大手衣料チェーン…

スウェーデンクローナの何が問題か

この10年で、ユーロはスウェーデン・クローナに対して30%高くなり、米ドルは70%近く高くなった。2013年の夏は1ユーロを8.7クローナで買えたが、今年は11.17クローナ出さないといけない。スウェーデンは小国だが、財政力も強いのにクローナはなぜここまで…

北欧通信 111 踊るクラミジアとコンドーム

私のニュースレターを購読してくださっていると、時々送られてきてしまうこんなすごいタイトルのニュースレター(そう言えばこういうタイトルの回もありました)。 swelog.theletter.jp 今回はこちらです。 今週はスウェーデンで一番移動に優れた都市を表彰…

グレタとパティ・スミス

グレタ・トゥーンベリが高校を卒業したので、気候危機のための「学校ストライキ」からの卒業、というニュース、もう皆さんも既に目にしたかも。最後の学校ストライキとなった昨日のFridays for Futureデモに、グレタに敬意を表すためにパティ・スミスが現場…

個人間カーシェアリングアプリGoMore

読んでしまえば、あ、そうか! なぜ今までもっと成長していなかったのか?と思ったけど、記事を読んで初めて気がつくこのアイデア。紹介されていたのは、車を自分が使っていない間貸し出すという、車のAir B&Bのような個人間のカーシェアリング仲介アプリ、G…

国籍問題

国旗問題に続き、今日は国籍問題を。 一昨日のナショナルデーに行ったスピーチで、クリステスソン首相は「スウェーデン国籍は侵害されている」といい、今は犯罪者でも簡単にスウェーデン人になれる」と話した。 過去12年間で新しく70万人がスウェーデン国籍…

国旗問題

昨日の6月6日はスウェーデンのナショナルデーで、いたるところでこの国の国旗が舞った。 今の国王に続く王朝を、グスタフ・ヴァーサが1523年に確立してから今年は500年ということで、500周年が大きくフィーチャーされていたが、私たちが住んでいるこのスコー…

ボルボの車内での機密情報

このブログは一応「えー、ほんまかいな!」と思ったニュースについて書くことにしているので、今日はこの話題を。 最新型のスマートカーでは、車の居場所を地図上に表示したり車内の様子を遠隔地から聞くことができるようになっているが、これは悪用される可…

夏フェスと駐車場と二酸化炭素排出量

イギリスで発表された新しい研究では、夏の音楽フェスティバル会場で提供される駐車場のスペースを削減することで、どれくらい二酸化炭素排出量を削減できるかを調べた。 マンチェスター大学ティンダルセンターの研究者は「車の使用、炭素、フェスティバル」…

北欧通信 110 本当に危険な気候テロリストは誰か?

今週は紹介したいエル掲載のコラムが2つあったので、特にニュースレターで新しい話題は取り上げていないのだけれども、とりあえずブログからもリンクを張っておくことにします。どうぞよろしく! swelog.theletter.jp 今回ははちゃんと1通だけレターが届い…

本当に危険な気候テロリストは誰か?

昨日ロレーンの記事を紹介した時に、彼女のスウェーデンでの予選時にテレビ生中継に乱入した気候アクティビストのことに触れたが、同じアクティビストたちが先週また違うテレビの生中継番組に乱入していた話を取り上げる機会を逸していた。 swelog.miraioffi…

音楽で喜びと愛を届ける、スウェーデンの歌姫ロレーン 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.21】

今月のラーゴム連載はロレーンについてです。 こちらの記事では書き忘れたけど、私がロレーンってすごいなと思ったきっかけは、ユーロビジョンのスウェーデン国内予選中に起こった、彼女のパフォーマンス中に気候アクティビストが乱入するという事件。 その…

インフレの中での「文化」の値段

食品を始めとする様々な分野でここまでインフレが進んだスウェーデンで、コンサートや映画、本など、文化関連のモノやコトの値段はどうなっていたかという記事を読んだ。 インフレ率の調査は、コロナの前の2019年の1年間とこの4月までの直近の12ヶ月の平均消…

気候と地球の「正義限界点」はとうに超えている

水曜日にNatureに掲載された、この新しい研究結果に世界でどれだけの注目が集まるだろうか? ヨハン・ロックストロームを始めとする世界から50人の科学者が3年掛けてまとめたこのレポートは、今のところは豊かな北半球に住む多くの人にはあまり影響はないが…

© Hiromi Blomberg 2023