swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

多様性社会・差別・排斥

LGBTQの最初のデモから50年

50年前のスウェーデンでは同性愛は病気だとされており、LGBTQであるとカミングアウトする人はほとんどいなかった。公共放送のSVTでは、医師が同性愛者を「改心させる(!)」ために電気ショックを与える手法が紹介され、番組のレポーターは電気ショック療法…

スウェーデン防衛軍の「存在しない女たち」問題、解決へ

スウェーデン国防軍で目下進行中なのは「装備供給の平等プロジェクト」だ。このプロジェクトは国防軍で供給される軍服や防備具などで、女性の隊員にも合わせたものを平等に供給することを目指す。半年前から始まったこのプロジェクトは5年後の完遂を予定し…

精神発達症群の日とグレタ・トゥーンベリ

3月15日は「精神発達症群の日」であったということで、アスペルガー症候群のグレタ・トゥーンベリが昨日、SVTの朝のニュースに出演してインタビューに答えていた。 世界を駆け巡る目まぐるしい1年の後、今は学校に戻って落ち着いた日々を送っていると話すグ…

讃美歌とLGBTQ

スウェーデン教会が讃美歌集の新編纂の大仕事に着手している。 1645年に初めての讃美歌集が作られてからこれまでに3度の大掛かりな編纂作業が行われており、現在の版は1986年に20年の長きに渡る編纂作業を経て完成し、800近い讃美歌が納められている。 新し…

スウェーデン民主党でなければ、教会が守るレインボーフラッグ

LGBTに代表される多様性ある社会のシンボルとして使われるレインボーフラッグ。 スウェーデン南部の町Hörbyで今週決定されたのは、コミューンとしてこの旗を掲げることをやめ、今後はスウェーデンの国旗しか掲揚しないこと。 Hörbyは極右政党のスウェーデン…

減るLGBTQI認証、のその理由

1950年に発足し、現在7000を超える会員を誇るスウェーデンの性的マイノリティのための全国組織、RSFL。 RSFLでは、性的マイノリティの立場から職場環境を見直したり性的マイノリティの人たちへの理解を高める教育プログラムを運営しており、終了した組織には…

首相とSNSとBlack Lives Matter・スウェーデンの場合

先週の日曜日、スウェーデンの大手新聞ダーゲンス・ニュヘテルにアフリカ系スウェーデン人6名へのインタビューが掲載された。 そして、スウェーデンでの黒人差別の現実を語るこのインタビュー内容に対して、ロベーン首相は、昨日自身のフェイスブックアカウ…

皇太子と一緒にストックホルム・プライド・パレードに!

Copyright Kungl. Hovstaterna, fotograf Erika Gerdemark コロナ禍の中、デジタルで開催されることになった今年23回目を迎えたストックホルム・プライド。本日12時から予定されているプライドパレードは、参加希望者が事前に短いビデオクリップを送りそれを…

北欧らしさで炎上したSAS

火曜日の朝スカンジナビア航空(SAS)のYoutubeチャンネルに、一本の広告動画がアップロードされた。 そのビデオは北欧でゆったり休暇を取る人、赤ちゃんを抱いた父親、スウェーデンのミートボールなどの映像を見せながら「真に北欧なものとはなんでしょう?…

エリートスポーツ選手の性的適合

21歳のノエル・フィレン-ハマルストロームさんは元々女子バスケットボール選手として活躍していたが、悩んだ末性別適合手術を受け、その際にホルモン治療を続けたことから選手として活動できなくなった。 その後2年を経て治療も終わり、また法的な性別登録…

限界ぎりぎりの特別対応の給食

食物アレルギーや自分の信条、または宗教的な理由で特定の肉を食べない生徒など、スウェーデンの学校給食が様々な対応を迫られている話はここでも何度か取り上げた。 swelog.miraioffice.com 今日レポートされていたのは、学校側はきめ細かいやり方で対応し…

スウェーデン語の通じない介護士たち

ストックホルムの介護施設が介護士たちのスウェーデン語の習得度を上げることに力をいれた結果、職場環境、ひいては入居者の満足度にポジティブな影響がでたことがニュースで取り上げられていた。 スウェーデンでも介護士は不足気味で、雇用する側も言葉の問…

子どものための「トランスジェンダー・キャンプ」

スウェーデンのトランスジェンダーのためのグループTranssammansがオーガナイズする、今年で5回となるキャンプ、Transkollo。トランスジェンダー、トランスセクシュアルが一緒にキャンプをしてセミナーやワークショップを行うこのイベント、今年は12歳まで…

Moving Sweden: Topp 3 がLGBTQ映画祭で受賞!

スウェーデンの最北部、ノールランドを舞台に18歳のアントンとダービットの恋を描いたアニメーション・ロマンティック・コメディ『Moving Sweden: Topp 3』がロスアンゼルスのLGBTQフィルム・フェスティバル、Outfestで最優秀長編映画観客賞を受賞した。 Out…

薄着でバス乗車を断られたアマンダと運転手とバス運営会社

この金曜日のお昼頃、マルメのバスターミナルから簡単なトップスとショーツでバスに乗ろうとしたアマンダ・ハンソンさんは、薄着すぎるその格好が「乗車する際の洋服着用ポリシー」に反すると、運転手に乗車を断られた。 少しお腹がでているだけの格好をして…

警官も踊るマルメ・プライド

昨日の夕方ルンドの駅前に返ってきたらレインボーな人たちでいっぱい。 ああ、そうか今日はマルメ・プライドの日だったのねー! さて、どんな感じだったのかな? とニュースサイトのビデオクリップを見たら、パレードの横でどう見ても警備の警官がノリノリで…

足を洗うものたちの会

スウェーデンの夏休みは長くサマーハウスや旅行に行く人も多いので、それを狙ってこの時期は空き巣が増える。泥棒から家を守るためにどうすればいいか? 朝のニュースでそんなアドバイスをしていたのは「犯罪組織から足を洗うものたちの会」代表のクリステル…

自転車が開く人生の新しい扉

自転車に乗ることができるかできないかで、人生の選択肢が大きくかわってしまうことがある。 スウェーデンや日本で近年生まれ育ったほとんどの人にとって、自転車に乗ることは自明の理。自転車が人生を変える道具であると思った人はあまりいないと思います。…

公共の場の母国語で、周囲に不安を抱かせないために

家電量販店エールギガンテン(Elgiganten)は、48カ国の異なる国籍の500人が働く配送センターで、休憩時間にもスウェーデン語以外で話すことを禁じる就業ポリシーを決定した。わからない母国語で話されることにより差別されたと感じたり、状況が理解できず不…

リネア・クラーソン スウェーデンで一番恐れられてる女 swelog weekend

レインボーヘアーのアクティビスト スウェーデンで一番恐れられている女 男女平等の国、スウェーデン? みんなが少しづつ勇気をだして。「気まずい雰囲気を恐れない」 スマートなユーモアは最強の武器 レインボーヘアーのアクティビスト 『私はリネア・クラ…

インクルーシブな住民登録を考える行政

社会庁が公的機関の統計に男、女だけではなく三番目の性別での登録や集計を提案している。各種統計や登録を行う行政機関が、男女だけではなく他の選択肢が選べるような変更を行い、限定された現在の2つの選択肢では疎外されたように感じる人をなくすのが狙…

職業性差をうちやぶるには中学生のバイトから

夏休み時期、多くの行政の職員も長い休みをとる状況のなか、市役所の職員にかわる簡単なアルバイトをする中学生、高校生は多い。 ストックホルムに近いウプサラ市では、今年の夏のアルバイトに応募した3000人の中学3年生に、意図的に今の職種による性差をう…

SNS上の差別を罪として裁く

サッカーが好きなら、去年のW杯ロシア大会のスウェーデン=ドイツ戦で起こったことを覚えている人もいるかもしれない。 スウェーデンチームのジミー・ドゥルマズのファウルによるドイツのフリーキックが決勝点につながり、ドゥルマズはSNS上で人種差別発言と…

経済界トップリーダーのカミングアウト

スウェーデン最大のゲイネットサイトを運営する雑誌QXが開催した今年21回目のゲイガーラ・Gaygala(ゲイの祭典)。 「今年のHBTQ賞」を受賞したのはスウェーデン最大手スーパーマーケットチェーンICAが所有する保険事業子会社の社長、カロリーン・ファーベル…

外見で差別される医者

残念なことだが、差別はどこにでもあるし決してなくならない。そうであればこの社会では差別は容認されないということをはっきりさせ、差別が起こった時にどう対応するのかを決めていくことの大切さは、強調してもしすぎることはない。

社会の成熟とルシアコンテスト

伝統的価値観を試されるルシア祭 今年の行事は終わってしまったが、今日のルシア祭を取り巻く状況をまとめておこう。 スウェーデンの伝統的な価値観を象徴しているルシア祭は、自分がどれくらい保守的で、どこまでリベラルになれるかを試される踏み絵のよう…

ミニマリストになる勇気

今回の11月の日本滞在で買った新刊本は『日本が売られる』『日日是好日』に『100万円で家を買い、週3日働く』。 どの本も読む価値があったけど、最後の三浦展さんの本は私が知らなかった日本の新しい動きがたくさん書いてあって勇気付けられた。 日本から比…

男の子の遊びと女の子の遊び

スウェーデンでは少し前から「男らしさ」の話が熱くなっている。いわく、いくら男女平等とはいっても、生物学的に男性の属性、女性の属性というものがあるだろう、という話。 子供についてよく言われるのも親が何もしなくても、男の子は自然と車のおもちゃで…

警察に通報される「お客様」

薬局の調剤員に「白人をだせ」、「この国で住みたいのなら被りものをとって、もっと同化しろ」などの暴言をはく客がこの2,3ヶ月で急増している。 大手薬局チェーンのアポテック・イェルタットだけでも、これまでに15人の客を差別的行為で警察に通報した。…

学校給食は社会の縮図

日本の給食への注目 少し前に、栄養士でスウェーデン全国の学校給食の課題に取り組んでいるアニカから、日本の学校給食について知りたいと連絡をもらった。 その時は忙しかったのと自分も門外漢であるということから、お茶を濁す程度の情報を渡すだけで終わ…

© Hiromi Blomberg 2023