swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2021-01-01から1年間の記事一覧

気候危機の前では、右だの左だの言ってる場合じゃない

「今の政治がやっていることは遅すぎるし、十分ではない」と右派、左派の著名論客が、気候危機の前でイデオロギーを超えて手を組む「気候同盟」を設立し、今期の国会に要求を突きつけた。 気候同盟の発起人として名を連ねるのは、元左党、女性党党首のグッド…

ポストコロナは予約で一杯

スウェーデンで企業が開催する各種会議やセミナーの会場となる、ホテルなどのカンファランス会場には、今、予約の問い合わせが殺到していて、すべての電話に答えている暇もない状況が続いている。 カンフェランスを手配するSvenska MötenのPR担当者は、パン…

自由とラーシュ・ヴィルクスと、その突然の死

昨日の夕方、ラーシュ・ヴィルクスが車の衝突事故で死んだ。彼の命を守るために同行していた2人の警察官と共に。ヘルシンボリで生まれたラーシュ・ヴィルクスはルンド大学で美術の博士号をとり、長年オスロやベルゲンの芸術大学で教鞭を取った人だが、彼を…

スウェーデンはブルーでブラウンで、ちょっと大丈夫? swelog weekend

swelog weekend nr26〈今週のトピック〉 スウェーデンはブルーでブラウンで、ちょっと大丈夫? 〈今週のブログ記事〉 人がいっぱい 〈今週のスウェ推し〉 街で森を担ぐ Tree Kånken スウェーデンの来年の選挙ではブルーとブラウンの色で表される極右のスウェ…

「投資されない女たち」を是正する

自分でも「このことホンマに気になってるようだな、しつこいな」と思うほど、折につけ取り上げているのが「電動キックボード」と「投資マネーとジェンダー格差」の話。 で、今日はゼニ、金、マネーの話です。 Vinnova、すなわちスウェーデンのイノベーション…

金持ちと貧乏人の間で広がるばかりの健康格差

ちょっと考えると、まぁ、そういうことだろうなとは理解するけれど、ここまで赤裸々な統計はこれまで見たことがなかったような気もする。 金持ちで高い学歴を持つ人は健康的な暮らしを送って長生きし、貧乏人はいろんな病気にかかって早く死ぬ。 これはダー…

個人商店の次は、チェーン店も消える街角

スウェーデンの街から個人商店が消えていき、街中に空き店舗が目立ったりもしくはチェーン店ばかりになってしまったと嘆いていたら、今、チェーン店も次々にお店を閉めはじめていると知り驚く。 H&Mは、今年世界で250の店舗の閉鎖をすでに発表していたが、今…

ポストコロナの働き方、ワクチンの今後

在宅勤務の要請が今日からなくなるということで、ダーゲンス・ニュヘテルが、スウェーデンを代表する企業に、社員の働き方はどう変わる予定かを取材していた。 スウェーデンの公衆衛生庁は、可能な人は自宅からリモートワークすることを2020年の3月16日から…

地産地消チャレンジ

9月の一ヶ月間、半径250キロ以内で採れたものしか食べない「地産地消チャレンジ」に挑戦しているカップルをニュースが取り上げていた。 スモーランド地方に住むヨンナさんとダニエルさんの二人は、この試みの環境への影響や、日常生活の中での実行可能性、ま…

Friluftsliv

アメリカで「Hygge(ヒュッゲ)」に続いて、「Friluftstliv(フリールフツリーブ・野外活動)」がインテリアの新しいトレンドとして売り込まれようとしているらしい。 CNNの記事によると「フリールフツリーブすなわちアウトドアリビングは、屋外での体験を屋…

フェムウォッシング  swelog weekend

swelog weekend nr 25 〈今週のトピック〉 フェムウォッシング Femwashing〈今週のブログ記事〉 古くて新しい日常〈今週のスウェ推し〉 すっぱいご近所ビール 最近ちょくちょく耳にする「グリーンウォッシュ」や「SDGsウォッシュ」。では、女性に寄り添うよ…

ワクチンを打っていないのは誰か

「ワクチン証明もいらないし、渡航規制もなくすから、自分で考えて行動してね」とまあ、そう言われたわけですな、。スウェーデンでは、 来週の水曜日、9月29日からほぼ全てのコロナ関連の規制撤廃が予定されていたが、この実施が今週確定した。 また大規模コ…

「グレタ効果」はなぜドイツの緑の党で起こって、スウェーデンでは起こらないのか

9月26日のドイツ連邦議会選挙を前に、そして本日9月24日の「世界気候アクション」を前に、グレタ・トゥーンベリの行動がドイツで特に若者に幅広く支持され、ドイツの政党支持率の変化に与えたのと同様のことが、なぜスウェーデンでは起こらないのか、という…

脱化石燃料で健康に、健康になると脱炭素へ

11月にグラスゴーで開催される国連気候サミット(COP26)にむけての記事だが、ダーゲンス・ニュヘテルの「健康」カテゴリーで面白い記事が掲載されていた。 英国の著名な気候変動と公衆衛生の研究者であるアンドリュー・ヘインズ(Andrew Haines)教授は、「…

スウェーデンのセメント危機

ここのところニュースでよく見かけるが、どう決着するか先の見えなかった問題があって、このブログで取り上げてこなかったのが「セメント危機」問題だ。 スウェーデンでセメント材料の石灰の採掘を事実上独占してしまっているCementa社のゴットランドにある…

家族の日休暇

スウェーデン政府は昨日2022年度の予算案を提出したが、その中にファミリー・ウィークと名付けられた4歳から16歳までの子どもいる親にむけた新しい休暇制度の導入案が入っていた。これは年間6日まで子どもと一緒に過ごすための休暇をとることができ、その場…

イケアが進めるクリエーターの民主化

ユニクロがマリメッコとコラボするなど、ファストファッションと人気ブランドのコロボはすっかり定着したが、今回経済紙ダーゲンス・インダストリで紹介されていたのは、イケアのちょっと変わった家具でのコラボ。 イケアが一緒に新しいコレクションを作るの…

国営酒屋の責任あるワイン調達 swelog weekend

swelog weekend nr 24 〈今週のトピック〉 国営酒屋の責任あるワイン調達〈今週のブログ記事〉 コロナ以前のあのごちゃませ感のswelog復活? 〈今週のスウェ推し〉 スウェーデンの新グリーンスター・ミシュランレストラン 安すぎる洋服、安すぎるコーヒー、…

子どもへのワクチン接種のその理由

他のEU加盟国が次々と子どもにも新型コロナのワクチン接種を実施していく中で、ほぼ最後に残った未実施国となっていたスウェーデンも、12歳以上をワクチン接種の対象者とすることを木曜日に発表した。しかし、なぜ子どもにワクチンを打つのかの理由が、私が…

社会の危機と図書館

文化、コミュニケーション、クリエイティブの領域で働く人たちのための労働組合DIKは、スウェーデンの図書館で働く人たちの労働環境に関する報告書を作成している。 2年前にだされた前回と比較すると、この度の報告書ではパンデミックの影響が強く現れてい…

LGBTQIな高齢者向け住宅

ストックホルム郊外のハーニンゲ・コミューンに昨日オープンしたのは、高齢者向け住宅内でLGBTQI認定を受けた対応棟。 LGBTQI認証とは? 1950年に発足した、スウェーデンの性的マイノリティのための全国組織、RSFL。 RSFLでは、性的マイノリティの立場から職…

半導体不足で自動車業界の数千人が失業?

半導体は世界的な供給不足に陥っているが、この状況が長引けばスウェーデンでは何千人もの雇用に影響を与えると、自動車関連業界団体の関係者が警告を発している。 SVTの取材に答えていたのは業界団体Fordonskomponentgruppen代表のフレドリック・シダールさ…

54歳からの警察への再就職

日曜日にデンマークでは5万人の観客をいれたアレーナでのコンサートが行われ、昨日のノルウェーの国政選挙では、政権交代が起こり労働党が26%の議席を獲得。8年ぶりに左派連合政権が誕生する見込みとなった。投票結果に大きな影響を与えたのが気候、石油採…

100年経っても同じ問題

昨日Youtubeで日本のラジオを聞きながら掃除していたら、突然、スウェーデン国会議長のアンデシュ・ノレーンが話し始めた。これはスウェーデン国会による広告で、ノレーン議長は、今年はスウェーデンの民主主義の100年を祝う記念年であることなどを伝えるも…

等身大のザラ・ラーソン POPスターのメンタルヘルス swelog weekend

swelog weekend nr23 〈今週のニュース〉 VAB (ヴァッブ)るスウェーデン〈今週のテーマ〉 等身大のザラ・ラーソン POPスターのメンタルヘルス〈今週のスウェ推し〉 タダの食べ物・森の恵みの豊かさよ 今日のswelog weekendは、卓越したアーティストであるだ…

男は右へ、女は左へ

これまでも選挙でどの党に投票するか、また一般的な世論調査でもどの党を支持するかで男女差はあったが、スウェーデン中央統計庁の調査ではその差が年々大きくなってきていることがわかる。 その差は極右政党のスウェーデン民主党で一番顕著で、2018年の国政…

政治家は短期集中で 経済担当大臣の場合

まだ50歳にもならないが、20年に渡り政権内の核となるポジションで仕事をしてきた現経済担当大臣のイブラヒム・バイランが、近く大臣職を辞任し政界からも身を引くことを発表した。 日本でいうと内閣の中では若手の(とはいってもバイランより10歳近く年は上…

危機対応から、新型コロナ診療科の常設へ

火曜日のコロナ規制撤廃のニュースは、音楽、イベント業界の関係者をはじめ多くの人に待ってました! と歓迎されたようだが、突然でちょっと困ったな、今またなんだか変異種とか感染者数とか、ほんの少しだけど増えているみたいなんだけど……と思ったのは私だ…

医療機関への負担増でも、10月からはニューノーマル

まだまだまったく心と身体の準備ができていない感じだけど、10月から大体元の生活に戻ってもいい、と言われたのである。昨日、突然。 段階を追って進められてきたスウェーデンのコロナ関連規制の緩和。8月末か9月頭にはスポーツ観戦などのイベントの観客数制…

50人が殴り合い

昨日の午前中、ルンド鉄道駅近くで、またそこで怪我をした人が担ぎ込まれた先のルンド大学病院の敷地内で50人ほどの人が入り乱れて殴り合いになるという事件があった。2つの家族間の諍いを種とするこの喧嘩は、ルンド郊外の住宅地で始まり、その後駅近くに場…

© Hiromi Blomberg 2023