swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

暮らしの輪郭

子ども家族の「ホームレス」化が増えている

スウェーデンには、ホームレスの数についての実態調査統計はないそうだが、2017年に社会庁が発表した推計では、3万3000人以上が様々な形のホームレス状態にあるとされていた。 スウェーデンの「ホームレス」の定義には、又貸し住宅に住むなど正式な住居への…

トルコ

地震国から来た身としては、トルコとシリアからの地震災害のニュースは他人事とは思えない。 知り合いのトルコ人のご家族は大丈夫なのかと、トルコの地理もよくわかっていないのに気になる。東日本大震災の時に、多くの人が(関西に住む)私の家族のことを気…

昆虫食陰謀論

スウェーデン最大のスーパーマーケットチェーンICAのレシピサイトで、6年も前から掲載されていたレシピのコメント欄が、今、突然炎上してる。背景には先日開催されたダボス会議に参加するレベルの世界のエリートたちが、一般消費者にわからないように食品に…

インフレと即日融資とギャンブル依存症

インフレや全般的な経済状況の悪化により、ギャンブル依存症になる人が増えるかもしれないということで、アフトンブラデーットがギャンブル依存症の人たちの全国互助組織を訪問して取材をしていた。お金が無い時にギャンブルは「一発あてて、なんとかなるか…

新生児の名前統計廃止の理由

その年の新生児の名前統計の話題といえば、覚えているのが10年ちょっと前だろうか? 移民の多い都市マルメで、その年に生まれた男の子の名前で一番多かったのが、モハメッドだったというニュース。 この統計はスウェーデン統計局から発表されると毎年話題に…

1942年の配給生活を体験する人たち

スウェーデン南部に危機装備ミュージアムというのがあって、そこでは世界大戦時に使われていた防空壕や、装備されていた戦車や武器などの展示をみることができる。このミュージアムの主催者が「非常時の食事を体験する」とイベントを年に1回、フェイスグル…

コミューンが支払い先延ばし措置で、子ども世帯や高齢者を助ける

クリスマスのプレゼントや休暇の後で、毎年1月はスウェーデン人の懐が一番さみしい時期。特に今年は電気代が高騰しているため、家計のやりくりが大変な人は多い。 そんな中、ホームヘルパーや保育などの提供しているサービスに関して、簡単な手続きでその支…

北欧通信92 名もなき家事、を再考する

今週のレターではスウェーデンの「名もなき家事」問題の解決法を提案する本の内容を紹介しています。 今月スウェーデンで出版された「名もなき家事」を取り上げた本によると、スウェーデンの家庭でも、多くは名もない家事の大半を女性が一手に引き受けており…

ためこみ症、スウェーデンのゴミ屋敷

自分では買うことのない巨大な魚肉ソーセージのようなFalukorv(ファールコルブ・牛肉と豚肉でできているが)を料理することになったので、なにかテレビ番組でもみながらと思って、SVT Playを開き、最初に気になった『Samlarna(ためこむ人たち)』というド…

すみません、ここまで高かったのか、一軒家の人の電気代

一昨日書いた私の電気代に関する認識がひどく世間とはずれていたようなので、お詫びするとともに、昨日ニュースになっていた各政党党首たちが今月どれくらい電気代を払ったかを書いておこう。 一軒家に住んでいる家庭の平均的な先月12月分の電気代は、住んで…

死にそうじゃない限り、救急外来には行かないほうがいい

このクリスマスの週末、コロナやらインフルエンザやら、路面凍結による事故でのけが人やら、スタッフの人手不足やらで、救急外来の窓口はもう限界ぎりぎりの状態で運営されているので、本当に死にそうにでもない限り、救急外来には来ないで、というか、行か…

底を打つ

スウェーデン語には「Nu vänder det!」という表現があって、これは文字通りには「方向がかわった」という意味で、ひいては「物事が好転する」「流れが変わった」と言いたい時に使われる。今朝、スウェーデンの最北部からやってきたニュースには「Nu vänder d…

急で、わかりにくい路面凍結の恐怖😱

感染症やら急な停電の可能性でこの冬はできるだけ家にいたほうがいいのではないか、と少し前に書いたけれど、昨日はまたルンド近辺で、警察が「用事のない人は家から出ないで」と呼びかけをする事態になっていた。 感染症やら電力不足やらで、これからは可能…

賞を授けて徹底的に祝う・社会活動家の場合

ノーベル賞の授賞式と晩餐会からもわかるように、スウェーデン人は人々の普段の業績にスポットライトを当て、賞を与えて盛大に祝うことが上手だなと思う。 それはノーベル賞のような世界中の人々の生活を変えてしまうような偉大な発明や発見をした人であって…

ノーベル賞受賞者が病気になって、準備されたごちそうはホームレスへ

昨日ヨーテボリで予定されていたノーベル賞受賞者を迎えての講演会とその後の食事会が急遽キャンセルになった。理由は招かれていた3人のうち2人が、10日の授賞式と晩餐会の後に病気になり体調を崩したことと(やっぱり1300人もきちきちに座って、飲んだり…

この秋激減した電力使用量と気候コーチが勧める節電術

電力会社Ellevioの顧客統計によると、10月の一般家庭での電力使用量は過去3年の平均値と比較して21.5%減少した。Ellevioでは約90万世帯を対象に調査を行い、今年の秋が暖かったことから、前年との比較だけでなく過去3年にさかのぼって電力使用量の比較を行…

ルシア祭をめぐる問題

明日の12月13日はキリスト教のルシア祭。暗い闇をろうそくの明かりと透き通った歌声が照らす、私もスウェーデンの年中行事の中でも一番楽しみにしているものだけれど、ルシアをめぐる議論も毎年繰り返される。(こちらは2018年にまとめたもの)。 swelog.mir…

感染症やら電力不足やらで、これからは可能なかぎり、家にいたほうがよさそう

コロナやらインフルエンザやらただの風邪やら? 理由はそれぞれ異なるようだけれど、自分や子供の調子が悪くて、家からリモートワークしたり仕事を休んだりする人が目立ってきた。 昨日は久しぶりに公衆衛生庁の記者会見の内容も報道されていて「新型コロナ…

隣人と話さなければいけない集合住宅

ヘルシンボリに高齢者と若者が一緒に住むという成功したプロジェクトがあるのは知っていたが、この集合住宅への入居の条件として「隣人と週に2時間以上話すこと」が明記されているのは知らなかった。 「Sällbo」はヘルシンボリ市の社会統合プロジェクトの一…

階級と出産

スウェーデン中央統計庁(SCB)の発表によると、今年にはいってスウェーデン各地で出産数が激減している。今年の1月から9月の新生児の数は、前年同時期と比較して7.7%減少して8万1550人となり、これは2005年以降で最低の数字。スウェーデンでは2010年以降、…

飲酒量減少の謎

2004年以降、スウェーデンでの飲酒量が減少していることがCAN(アルコール・薬物情報中央協会)の調べでわかった。自己申告によるアルコール摂取量を調べたこの調査によると、スウェーデンでアルコール摂取量は、2004年と2021年の比較で全体で15%減少してい…

金利が上がり、人々が貯蓄を始めると儲かるのは誰か?

答えは銀行に決まっている。 社会的セーフティネットが整っているからか、スウェーデン人は日本人に比べるとまったく貯金しないなぁとずっと思ってきたが、ここにきて社会不安の反映してか、そして久しぶりに金利が引き上げられたこともありスウェーデン人の…

スウェーデンのキムチと、危機に備える発酵野菜

今週は、スウェーデンの普通のランチレストランのサラダバーで、初めてキムチが提供されていたのを見かけた記念すべき週なので、やはりこれは記録しておこう。 スシはもちろんのこと、最近ではGyozaやOkomonoyaki,そしてTonkatsuなどの(あやしい)メニュー…

雷雪と霜薔薇

一週間前までは気象上の「夏」が続いていたと思ったら、急に全国各地で大雪になっているスウェーデン。日曜から月曜の朝にかけて、ストックホルムを中心とした地域で、大雪の中雷がなるという珍しい現象が起きた。これは「サンダースノー」と呼ばれるもので…

冷たくなったプール、閉まるサウナ

ヨーテボリの公営温水プールでは、電気代節約のために水温を下げることにした。先週、自治体が消費するエネルギーを5%削減するという決定がされ、これに伴ってプールの水温が下げられることになった。同時にサウナを使える時間もこれまでの半分になった。 S…

社会の中の老いと病 swelog weekend 85

今週はこちらです。 スウェーデンにいると、世の中にはいろんな人がいるという当たり前のことを実感する。外観の違いはもちろんのこと、様々な障害を抱えた人や、志向や嗜好の異なる人など、日本ではあまり会う機会のなかった人とも社会の中で普通に出会う。…

編み物の時代

電気代の高騰により、今年は暖房をいつもより控える人が増えると予想される中、「今年のクリスマスプレゼント」に選ばれたのは、「お手製のニット製品」たち。「今年のクリスマスプレゼント」はスウェーデン小売業組合が毎年、その時代の空気を反映したもの…

オーガニック食品の今 swelog weekend 84

今週の記事はこちら。 オーガニック、有機食品とその他の食料品の間の価格差は縮まってきているにも関わらず、オーガニック食品の売上は落ちている。なぜだろう? swelog.theletter.jp そして、今週のつぶやきラジオはこちらです(8分)。 stand.fm ***** 昨…

もうひとつの薪問題 swelog weekend 83

こちらの暖炉はスウェーデン最北の地アビスコの国立公園のユースホステルの暖炉 今週は、電気料金高騰で、薪に注目が集まっているスウェーデンで、薪を燃やしすぎるとどうなる? という話です。 電力料金が高騰するスウェーデンでは、この冬、薪をくべて暖を…

暗くて危ない

電気代を節約するために、この冬、各地のコミューンは、街灯の点灯時間を短くしたり、点灯する街灯の数を減らしたりといった対策をとっているが、中には、街灯の数を減らしすぎて街が暗くなり危険だと、住民や警察から苦情がでているところもある。 スウェー…

© Hiromi Blomberg 2023