swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

環境・気候危機

集中豪雨に備える集合住宅

少し前までは、日本の家は耐震補強工事や台風などの雨水対策などやらなくてはいけないことがあって大変だなぁ、スウェーデンではそんなことしなくていいから楽ちんだよね、とか呑気なことを考えていたが、スウェーデンでも近年の気候の変化を受けて「集中豪…

求められるGDPの再定義、そして日本はお手本に

GDP(国内総生産)という考え方で世界が進んでいる限りは、気候危機問題を解決することはできないとして、ローマ・クラブが、GDPの定義を刷新することで、気候危機への影響を軽減できるかどうかを調査している。 GDP・一定期間に国内で生産された財貨・サー…

気候温暖化に備える病院

今年は、私の住んでいるアパートで初めて「蚊」と出会った。夏の間は、窓は網戸もなく開けっ放しなので、蛾はよく入ってきていたけど、このあたりで蚊を見かけたのは初めて。 これまでずっとスウェーデンでは食品が湿らないと思っていたけれど、最近はそうで…

グリーンランドの採掘しない石油、グレタとVOGUE

2018年に「食料自給率」の記事で始めたこのブログ、今日で3周年、4年めに入りました。いつも読んでくださっているみなさま、ありがとうございます。記念に今日も気候危機の話題を。 .................. 世界最大級の石油・天然ガスが埋蔵されているが、今後…

拡大生産者責任で衣類価格も上昇へ

拡大生産者責任とは、生産者が生産するだけではなく、その製品の廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方である。 生産者が製品の生産・使用段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方。具体的には、生産者が使用済み製品を回…

ロックストロームの「ショックだ」発言に、ショックを受ける

日本の熱海に始まり、ドイツ、ベルギーそして北米や中国などから、次々に送られてくる大雨洪水や森林火災のニュース。 世界各地からの自然災害のニュースを目にすることが日常化してしまっているが、そのニュースに対して信頼する環境科学者が「ショックを受…

イケアが気候に投資する時

先週、イケアの気候スタートアップへの投資の記事をいくつかのニュースメディアで見かけた。 イケアは2012年から非常に小規模ではあるが、マルメで社会的起業家から製品やサービスを調達することを始め、さらにその地域限定的だった取り組みを世界レベルに持…

氷河を覆え!

いやー、昨日は暑かった! かと思えば、うちの周辺は午後には急に局地的な嵐のような大雨が降る激しい天気に。そこで、今日は涼し気な氷河の話を選んだが、これも氷河が解けてゆく話ではある。 スウェーデンで一番南にあるへーラグス氷河でも氷河の融解が急…

ヘラジカも喘ぐ、ポータブルエアコンの夏

日本の熱海やベルギーやドイツなどの大雨・洪水による災害とは比較できないが、スウェーデンも今、スウェーデンなりに猛暑で大変だ。ここルンドでも連日30度ぐらいの気温が続いているし、天気予報で見る限りは北の方もとても暑そう。家電量販店は今年も扇風…

ブルー・グリーン・シティ・ラボ

「よく頑張った、スウェーデン! 心にぽっかり穴が空いたあなたには24時間限定の特別セールをどうぞ」、と昨夜のサッカー欧州選手権でのスウェーデン敗退を受けた、家電量販店からの広告が目につくそんな今日の朝。 政局の方は、国会議長から今の国会をまと…

飛び恥の次は「データ恥」?

この週末、コペンバーゲンからスペインのマヨルカ島へ7ヶ月ぶりに189名のツアー客を乗せた飛行機が飛んだ、という小さな記事を読んだ。気軽に飛行機で旅行にでかけてしまう習慣は、コロナが落ち着くと結構簡単に元にもどってしまうものなのかもしれない。 そ…

燃えるエスキルストゥーナ。沈みゆくマルメ。

スウェーデンの中堅都市エスキルストゥーナで起きている車が燃やされる大量の放火事件。警察は日曜日の夜起こった一連の放火事件を、警察がギャング団の中心人物を逮捕したことへの報復行為ではないかと見ている。 逮捕されたのは35歳くらいの男性で、数週間…

気候心理学者

「気候心理学者」という聞き慣れない肩書きでニュースで紹介されていたのは、ノルウェーの研究者で、緑の環境党の政治家でもある、ペール・エスペン・ストクネスさん。彼が解説するのは「私たちはなぜ気候変動を真剣に受け止めず、本気で取り組まないのか?…

法令がくっきり変えたプラスティックとの付き合い方

レジ袋税が導入されて1年がたったスウェーデンでは、今レジ袋を買うと大体一枚7クローナ(約90円) 程度する。例えばノルショーピングのスーパーICA Maxiでは、レジでプラスティクのレジ袋の販売は75%減った。 そして去年の7月からレジ袋の有料化が始まっ…

気候危機ジャーナリスト賞をスウェーデンのタブロイド紙が設立

スウェーデン人が今一番多くアクセスするサイトの一つである、人気のタブロイド紙アフトンブラーデット。国民の半分以上が使うと言われているこのニュースメディアが、この度、気候危機ジャーナリスト賞を設立すると発表した。 環境問題への意識が比較的高い…

西アフリカ熱帯雨林での種の絶滅が次のパンデミックに直結か?

種の絶滅は、これまでは自然保護の観点から語られることが多かったが、これからは人間の健康に直結する問題となる。 スウェーデンの公共テレビ局SVTの気候危機問題解説員エリカ・ベェルストロームは、人の感染症の3分の2は他の動物からのものだと説明する…

バルト海の窒息状況は止まらず、ヘラジカは飢える

世界最大の「死の海域」、バルト海中央部(Baltic Proper・Egentliga Östersjön)の超低酸素状況が改善されない。1999年頃から観測されている超低酸素状況は2020年も改善は見られなかった、とこの度スウェーデン気象庁が発表した。 スウェーデン語では東海(Ö…

スマホの寿命を伸ばすための新法をEUが超スピートで検討中

GDPRとか使い捨てプラスティックに関する新法とか、最近ではアルコール飲料への警告表示義務付け検討やさらにはワクチンの共同購入の件に至るまで、EUのちょっとグイグイ押してくる感じについてはこのブログでも何度か書いているが、また近く、EUから新しい…

花粉症シーズンは一年中に、そしてコロナと花粉

花粉アレルギーに悩む人には恐怖の宣告? 昨日のニュースで聞いたのは、今年は花粉アレルギーの人にはつらい年になりそうだということと、気候温暖化の影響で花粉のシーズンはどんどん長く「通年」といってもよい期間をさすことになってきていること、さらに…

グレタの切手とインドで燃やされる彼女の写真

昨日久しぶりに出向いた郵便窓口で、グレタ・トゥーンベリがモチーフになった切手をやっと買って喜んでいたら、今朝一番に彼女の大きな顔写真がインドで燃やされている嫌なニュース写真が目に飛び込んできた。 記事によると、ニューデリーでグレタの大きな顔…

極寒の電気トラック

昨日の朝書いた、2回のワクチン接種の後に感染したという話に関しては、私と同様に心配した人が多かったのか、その後複数の医師、専門家が「特に心配することではない」とコメントを出していた。その理由はなぜかを追記として書いておいたので、よければ読…

木の車

製造に利用される素材を再利用できるものに切り替える。スウェーデン政府は、これまでの化石燃料を木材などのバイオベースの原料に置き換えていくという国としての目標をまとめ、昨日記者会見で発表した。 スウェーデンは、循環経済の考え方を中心に添え、世…

2018 年の干ばつで今、肉が足りない

スウェーデン人は、日曜日の夜8時にダラダラしたい気持ちマックスにならないのか? 選挙の前にはこの時間帯に党首討論会が放送されるし、昨日はまた公開裁判のようなアンデシュ・テグネルやロベーン首相、ハレングレーン社会担当大臣へコロナ対策への責任を…

コロナとファッション消費

スウェーデンの商業業界団体Svensk Handelの調べによると、2020年3月から10月にかけて衣類の販売は、前年比で17%減少、また靴類は同期比で30%減少した。スウェーデンのチェーンストアの一つIndiskaは、SVTのインタビューに答え、売上が20%減少したと話し…

守られなかった環境目標

スウェーデン政府は1999年4月に環境問題を次の世代に先送りにしないように、2020年に達成を目指す環境目標を設定した。当初は15でその後1つ増えて現在は16ある目標は、4年毎にスウェーデン環境保護庁が達成度を報告している。最新の報告書は2019年に出されて…

知らないうちに年金積立の8%をグリーンボンドに投資していた件

気候変動問題への意識の高まりに呼応して株式市場での資金の調達が難しくなってきた例えば化石燃料系産業は、今もまだ債権市場では資金調達に成功している。 世界の債券市場は株式市場よりも大きいため、気候危機問題への対処を加速するには債権市場でお金が…

衣料の最先端再生技術で、資源原産国になるか、スウェーデン

この度稼働したマルメのSiptexは、最先端の技術と装置を備えた衣料の再生利用に特化した施設。 合計260メートルに渡る長いベルトコンベアの上に古着を流し込むと、センサーが綿、ポリエステル、ウールなどの素材を瞬時に判断して自動分別していく。世界でも…

カムチャッカ半島の死にゆく魚介類

カムチャッカ半島で、大量の海洋生物の死骸が浜辺に打ち上げられる状態が続いていることをSVTが報道している。なんらかの要因で死んで海底に溜まっている魚介類が大潮で一度に半島のあちこちの浜辺に打ち上げられる状態が続いている。 原因として考えられる…

Preemが露呈する旧来ビジネスの経済的非合理性

10日ほど前に「スウェーデン政府は、今後の世界の資本主義の流れを変えるかもしれない大きな選択を目前にしている」と書いた、燃料企業大手Preem(プリーム)の製油所の増築計画は、昨日、思わぬ形で決着がついた。 Preemが申請していた増築計画を撤回したの…

風力発電反対

「スウェーデンの東北」と私が勝手に呼んでいる北部ダーラナ地方の町、Malung-Sälenコミューンで昨日行われたのは、コミューンの持つ土地に計画されていた大規模な風力発電パークの賛否を問う住民投票。 250メートルの高さの風力発電機を40基建設する当初の…

© Hiromi Blomberg 2023